8月15日に陸上世界選手権が開幕するが、独占放送権を持つTBSに対し、日本陸上競技連盟が選手のキャッチコピーを撤廃するよう申し入れたという。 TBSは1997年から中継を行なっている。短距離代表の塚原直貴は、「高野強化委員長はテレビ局に『もういいんじゃないか』と言ったみたいです」と語ったが、現場サイドから不満があがっていたことからの申し入れとなったようだ。乖離するテレビ局と選手たちの意識。 TBSにかぎらず、民放の中継するスポーツ・イベントでは、近年、選手にキャッチコピーをつけるのが恒例となっている。 それに対して、以前からときおり、「キャッチコピーは必要なのか」と、選手から、あるいはコーチから、現場にいる人々から不満の声があがるのを聞いたことはある。中継に携わるテレビの人々も、耳にしたことはきっとあるはずだ。 だが、キャッチコピーをつけるのは、年々盛んになりこそすれ、下火にな
鷲田康 = 文 text by Yasushi Washida photograph by Hideki Sugiyama 打者の練習の基本は素振りにあるといわれる。何の制約もない中でひたすらバットを振って、自分のスイングを作り上げる。 1993年。松井秀喜(現ヤンキース)が巨人に入団した直後に、当時の長嶋茂雄監督(現終身名誉監督)は「今のままのスイングではプロで通用しない」と言い切った。そうしてスタートしたのが、世に言う「松井育成1000日計画」だった。 来る日も来る日も、ミスターは松井に素振りをさせた。遠征先では宿舎の自室に松井を呼んでバットを振らせた。東京で試合のあるときは、田園調布の長嶋監督宅で、あるいはわざわざホテル・オークラの一室を借りてマンツーマンの素振り指導を行なった。 「フリー打撃や試合のスイングでは本当の形を作ることはできない。素振りとは武道でいったら
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く