(前回のあらすじ:1573年夏、戦国時代に転生した姑オババと歴女アメリッシュ。アバターとなった戦国時代の母娘カネとマチを生かすため兵隊になる決意をした。明智光秀の配下で足軽小頭である古川久兵衛の下で働く。彼と共に信長に会い朝倉義景を追撃、下人の弥助とともに戦争の悲惨さに逃げる) 一乗谷の決戦から逃げ帰る 翌日の午後、弥助とともに虎御前山の砦についたときは、何ていうか疲労困憊していた。 弥助が携えてきた食料も底をつき、途中、敗残兵にもからまれ、50キロほどの距離を一昼夜かけて戻ってきたんだ。 12日の暴風雨で大嶽砦を攻めたことを考えれば、4日後の今日は旧暦の8月16日のはず。 織田軍は越前に総攻撃をかけ、一乗谷の城下を焼き討ちするという、さらに凄惨な戦いをしている頃だ。 女は暴行を受け、男は殺され、家は焼かれる。 悲惨な戦場に私はもう耐え難いって思ったんだ。 もう、無理だって。 若い時の信長