クラウド生まれの基盤ソフトを非力なエッジ(端末)機器で動かす技術を開発し、米国で特許も取得。ERP(統合基幹業務システム)世界最大手に認められ、企業の基幹システム分野へと事業を一気に拡大する足掛かりを得た――。こんなテックスタートアップがある。2018年創業のラトナだ。 主力事業はエッジコンピューティング向けの基盤ソフト群「AION(アイオン)」の開発。工場の製造設備管理や小売業の店舗運営での利用を想定する。AIONは、センサーやカメラの制御、各種機器からのデータ取得などを担うエッジ機器向けの基盤ソフト、現場担当者が作業指示を入力したり作業状況を確認したりするためのアプリ、クラウド上のデータ連係ソフト、管理者用の情報ダッシュボードから成る。独SAPのスタートアップ向けプログラムに採択され、同社製品との連係機能を開発中だ。 中でも最大の特徴はエッジ機器向けの基盤ソフトだ。通常はクラウドサービ