小さな魔女キキのひとり立ちを描いた『魔女の宅急便』。1985年に角野栄子さんが発表したこの作品は、児童文学の世界的ロングセラーとして愛されています。2009年にはシリーズが第6巻をもって完結。あどけない少女だったキキはたくさんの出会いを経て、やがて素敵な魔女のお母さんへと成長していきます。今回、この作品を原作にした実写映画が誕生。それに先駆けて、角川文庫より新たに刊行された『魔女の宅急便』シリーズに込めた思い、創作の裏側を角野さんにうかがいました。 角野栄子(かどの・えいこ)さん 東京生まれ。大学卒業後、出版社に勤務。25歳からのブラジル滞在の体験を描いた『ルイジンニョ少年 ブラジルをたずねて』で作家デビュー。以来、第一線で活躍する。1982年『大どろぼうブラブラ氏』で産経児童出版文化賞大賞、84年『わたしのママはしずかさん』で路傍の石文学賞、『ズボン船長さんの話』で旺文社児童文学賞、『お