ライトノベルの金字塔とも呼ばれる神坂一(かんざかはじめ)の『スレイヤーズ』(ファンタジア文庫)。「盗賊殺し」「ドラゴンもまたいで通る」などの悪名で知られる美少女魔道士リナ=インバースが、立ちふさがる強敵と一緒にファンタジーのお約束をもなぎ倒す、型破りな物語だ。 1990年に第1巻が刊行された後、累計2千万部以上を記録するベストセラーとなったのをはじめ、文庫書き下ろしの長編シリーズと、雑誌『ドラゴンマガジン』連載のコメディー色の強い短編を並行して刊行する手法、声優・林原めぐみの主演による5度にわたるテレビアニメ化など、様々な形でライトノベルやそのメディアミックス展開の基礎を作った歴史的な作品である。その長編の新作が『ドラゴンマガジン』とファンタジア文庫の30周年を記念し刊行された。2000年の本編完結から18年ぶりとなる長編シリーズの新刊『スレイヤーズ16 アテッサの邂逅(かいこう)』だ。