早稲田大学大学院修了後、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員、国会図書館調査員、未来工学研究所研究員などを経て、現在は東京大学先端科学技術研究センター特任助教。主著に『現代ロシアの軍事戦略』(筑摩書房)、『帝国ロシアの地政学』(東京堂出版)、『軍事大国ロシア』(作品社)がある。
戦勝記念日がやってくる5月9日。 68年前のこの日、ナチス・ドイツはベルリンを占領したソ連軍に対して降伏文書に調印し、第二次世界大戦は終結した。 「大祖国戦争」(ロシアでは第二次世界大戦をこう呼ぶ)においてソ連は実に2600万人もの死者を出し、国土の主要部を焦土化しただけに、勝利の記憶は国家の重要なアイデンティティである。 また、ナチズムの悪夢から欧州を解放したのだ、という自負もある(スターリン体制がナチズムと比べてどれだけマシであったかはまた別として)。 それだけに、5月9日の対独戦勝記念日は、ロシアで最も重要な祝日のひとつである。 戦勝記念日の重要イベントは、なんと言っても軍事パレードだ。パレードはロシアの主要都市各地で行われるが(今年は24都市で実施)、最も大規模なものはやはり首都モスクワの赤の広場で行われる。今年は例年通り、ロシア連邦軍、内務省国内軍、連邦保安庁国境軍、国家非常事態
冷戦期のソ連は戦略援助として同盟国・友好国に大量の武器輸出を行ってきたが、ソ連崩壊後、武器輸出行政の混乱によって輸出高は大幅に下落していた。 しかし、プーチン政権が武器輸出窓口を国営武器輸出公社に一本化するなどして国家的に武器輸出拡大に向けた態勢を整えたことで再び武器輸出は増加傾向に転じた。2004年以降は毎年60億ドル以上、さらに2010年以降は毎年100億ドル以上を記録し続けてきた。 その後も武器輸出額は拡大の一途を辿り、ついに150億ドルの大台に乗ったわけである。 プーチン政権が武器輸出を重視するのは、それが原油・天然ガスに依存した経済からの脱却を目指す国家戦略と密接に関係しているためだ。 現在、ロシアの国庫収入は約半分を原油・天然ガス収入に頼っているが、国際価格に左右されるため、安定的な収入源とは言いがたい。 今後も経済の主力がエネルギー資源であることは変わらないにせよ、その依存度
緊迫する朝鮮半島情勢朝鮮半島情勢が緊迫の一途を辿っている。 2012年に成立した北朝鮮の金正恩体制は、2012年に弾道ミサイル技術を転用した衛星打ち上げを成功させたのに続き、同政権下初の核実験(2013年2月)を強行した。 さらに3月に米韓の定例大規模合同演習「フォール・イーグル」と「キー・リゾルブ」が始まると北朝鮮の態度は韓国との休戦協定の破棄まで宣言するに至った。これにより、法的には、朝鮮半島は60年ぶりに戦争状態に戻ったことになる。 こうした中で注目されているのが、北朝鮮が4回目の核実験と弾道ミサイル発射の可能性だ。 本稿ではこのうち、弾道ミサイルの発射がもたらしうる影響について考えてみたい。 移動式ミサイルのやっかいさ弾道ミサイルに関連する北朝鮮の動きとして最初に注目されたのは、「ムスダン」IRBM(中距離弾道ミサイル)だった。 ムスダンはソ連のマケーエフ設計局が開発したR-27S
ロシアの最新戦略核保有量データ公表4月3日、米国務省は、新START条約に基づいて米露間で行われた戦略核戦力についてのデータ交換の結果を公表した。 新START条約というのは、2009年に失効した第1次戦略兵器削減条約(START1)の後継条約として2010年に締結されたものである(発効は2011年)。 新STARTでは配備状態の戦略核弾頭を1550発、配備状態の運搬手段(ミサイル、爆撃機)を700基/機、配備・非配備状態の運搬手段を800基/機とすることを定めており、総じてSTART1よりも踏み込んだ削減を目指している。 (ただしSTART1と新STARTではカウント基準に相違があるため、一概に両者を比べることは難しい。詳しくは以下の拙稿を参照。http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/5372)。 以前のSTART1では米露が保有するミサイルや爆撃機の種
ドミートリー・トレーニン(河東哲夫・湯浅剛・小泉悠訳)『ロシア新戦略──ユーラシアの大変動を読み解く』(作品社、2012年) ソ連解体から10年ほど経った頃、上海の空港に着いた著者がその時もまだ持っていたソ連時代のパスポートを提示したところ、航空会社の女性職員が戸惑っていたという冒頭のエピソードが示唆的だ。彼女の上司が出てきて曰く「失礼しました。この頃の若い女性はソ連のことを知らないのですよ」──ソ連は遠くなりにけり、といったところだろうか。著者は別にノスタルジーを語りたいわけではない。むしろ本書で示される著者の最終的な見解は、ソ連解体後の状況が既定事実となっている中、この現実を認めるところからロシアは今後の歩みを始めなければならないという点にある。 著者はカーネギー国際平和財団モスクワ・センター所長として欧米にもよく知られた国際政治学者である。トレーニンの単著の邦訳は本書が最初であろうか
こうした中で、今年2月10日、ロシアのメドベージェフ大統領は北方領土訪問を終えたばかりのアナトーリー・セルジュコフ国防相らと会談し、同地域の軍事力を増強する方針を示した。 北方領土は「ロシアの戦略的地域」であり、その防衛を全うするために最新装備を導入するという。 現在、北方領土に配備されている軍事力の主力は、第18機関銃砲兵師団と呼ばれる部隊である。 2008年頃まで、ロシア軍には23個の「師団」(各定員1万2000~2万4000)が存在していたが、このうち22個師団は軍改革の過程で解体され、より小規模な「旅団」(定員3500人程度)に改編された。 つまり、北方領土の第18機関銃砲兵師団は、ロシア軍に唯一残された師団ということになる。 旅団が敏速な機動性を特徴とするのに対して、北方領土だけは地域張り付け型の師団編成を維持することで、あくまで同地域を軍事的に固守する意図を示す狙いがあると思わ
ご訪問いただいたお客様へのお知らせ アクセスいただいたWebサービスは提供を終了いたしました。 長年にわたり、多くの皆様にご利用いただきましたことを心よりお礼申し上げます。 ODNトップページへ
こちらは、「森猫の森」です。 モリネコノモリって……? 何だかわけの分からない場所ですが、忘れた頃にいらっしゃってください。道が増えているかも知れません。 更新記録(2008.02.01.Update) 森を歩いてみる。 森の裏側を覗いてみる。 伝言板に書き込んでみる。 森の美術館へ足を運ぶ。 森の外へとつながる道を行く。 Since 1998.11.09. (記念的番号とリクエスト文章のコト) 次回のリクエストつき記念的番号は「200000」です。 森の片隅はこちら…… この森の文章の著作権は森猫アキラに帰属します。 また、いただきものなどはそれぞれの作者さまに著作権があります。 無断転載は固くお断りいたします。 この森の巡回はInternet Explorer6とNetscape7で行っています。 それ以外のブラウザでは何かと見づらいところがあるかも知れません。 ご了承
飲茶な日々 (3日に1度は更新予定の哲学日記) 2008年10月11日 僕の中二病告白 中二病という言葉があるそうです。 ―――――――――――――――――――――― 中二病(ちゅうにびょう)とは日本の俗語、スラング。 思春期にありがちな微妙にズレた自意識過剰、 それから転じて起こる数々の「中学二年生くらいの頃に ありがちな言動」を「症状」として比喩したもの。 子供が大人になろうとして、 「大人が好みそうな(と子供が考える)格好いいもの」に興味を持ち、 子供に好かれるようなもの、幼少の頃に好きだった幼稚なものを 否定したりなどする。「もう子供じゃない」「(汚い)大人になりたくない」 という自己矛盾が、実際の大人から見ると非常に「ズレて」おり、 滑稽に見えることが大きな特徴である。 さらに、生死や宇宙について思い悩んでみたり、 政治や社会の汚さを批判してみたり
2023年08月06日 「親子でミニチュア・チェアをつくろう!」 —ムサビの近代椅子(=モダン・チェア)コレクションに触れる—
Since our founding in 1981, POGO has continued to grow, taking on new programs and entering into partnerships as we’ve expanded our effort to build a healthier democracy. Our projects and partnerships work in concert to expose problems in the federal government, develop reforms to address those problems and prevent similar abuses in the future, and champion change. Center for Defense InformationTh
ロシアの地対空・艦対空ミサイル「9M96」系列の考察。コールドランチで発射されるミサイルでメインロケットモーター点火前に姿勢を転換するには通常サイドスラスターが用いられる。しかし9M96はサイドスラスターが中央の重心付近にあり、終末誘導時のスライドする動きによる位置修正用であるために姿勢転換には使えない。 実際の発射を見ると、中央のサイドスラスターではなく前方の部分から黒いガス噴射を継続していることが分かる。 ↓9M96の発射を真下から見た映像。90度倒した映像で、画面左側が甲板。 ガスの噴き出しがこの2方向に見える。このガス噴射と前方操舵翼で発射直後の姿勢転換を実施している可能性。 2017年4月23日、沖縄県うるま市・米軍施設ホワイトビーチで開催された「2017ホワイトビーチフェスティバル(2017 White Beach Festival)」に登場したアメリカ陸軍のミサイル発射機。P
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く