永井に見る大学スポーツの底力 【金子達仁】2010年11月12日 バルセロナ五輪の予選に挑んだ日本代表は、大学生を主体としたチームだった。中盤の柱となったのは東海大の沢登、ケガ人の出た最終ラインをまとめたのは早稲田の相馬である。GK下川、DF名良橋、FW藤吉など、プロアマ混在の日本リーグでプレーしている選手もいたが、あくまで、大学生が多数派を占めるチームだった。 まだJリーグのなかった時代である。高校サッカーのスターは大学に進学するのが一般的だった。となれば、23歳以下の選手で構成される五輪代表が大学生中心となったのは、当時の日本サッカーの状況を考えれば当然のことだった。 だが、わずか4年後、アトランタ五輪でブラジルを破ったメンバーの中に、大学生は1人もいなかった。93年のJリーグ発足によって、高校サッカーの才能は大学に背を向ける時代となっていたのである。以来、その傾向はシドニー、アテネ、