ブックマーク / bunkaonline.jp (13)

  • さえぼうと『ダーティハリー』:ロマン優光連載305

    305回 さえぼうと『ダーティハリー』 さえぼうこと、武蔵大学人文学部英語英米文化学科教授でシェイクスピア研究、フェミニスト批評を専門とする、北村紗衣氏の『ダーティハリー』に関してつまらないと述べた記事を巡って変な騒ぎが起こっていた。当該の記事は太田出版のWebマガジン・OHTABOOKSTANDでの北村氏の連載「あなたの感想って最高ですよね! 遊びながらやる映画批評」の第3回「メチャクチャな犯人とダメダメな刑事のポンコツ頂上対決?『ダーティーハリー』を初めて見た」だ。 メチャクチャな犯人とダメダメな刑事のポンコツ頂上対決? 『ダーティハリー』を初めて見た[第3回] あなたの感想って最高ですよね! 遊びながらやる映画批評映画を見た後に「なんかよかった」「つまらなかった」という感想しか思い浮かばない人のために、フェミニスト批評家・北村紗衣さんが、初めて見る映画の感想を話しながら注目してほしい

    さえぼうと『ダーティハリー』:ロマン優光連載305
  • これが石丸伸二だ!:ロマン優光連載299

    299回 これが石丸伸二だ! もし、今まで決まってなかったことが前日の動きで急に決まったことを「突如」と表現したことに対して「突如」と言った根拠を述べよと言ってくる人がいたら、どう思うだろう。 2023年7月の広島県安芸高田市定例記者会見での石丸伸二氏(当時安芸高田市長)の発言である。 別に「突如」と表現として何もおかしくはない。常識の範疇ではないだろうか。こういったところで相手をやりこめようとするのは私はどうかと思う。 PR 東京都知事選挙で獲得投票数2位につけた石丸氏。選挙後にメディアで行われたインタビューの数々で見られた噛み合わない様子が「石丸構文」として話題になっており、SNS上ではこれを題材にした大喜利が繰り広げられている。 質問に対して問われたことに答えず、題とずれた部分の定義付けを執拗に求める。ストレートに質問に答えない。質問に質問で返す。論点をずらして相手を煙に巻く。相手

    これが石丸伸二だ!:ロマン優光連載299
  • 為末大の言う「友達」について考える:ロマン優光連載292

    友達」って、いったい何なのだろうか。 初老のおじさんがこんなことをいきなり言い出してキモいと思う人もいるだろう。正直言って、自分でもキモいと思う。しかし、これは私のせいではない。 私がこんなキモいことを書かなければいけなくなったのは、為末大さんが、 50歳以降で多様性理解のために一番おすすめなのは『20歳以上下の異性の友達を作る』だと思っています とX(旧Twitter)でポストした結果、批判的なポストが大量に生まれ、その直後になぜかアカウントが凍結されるという事態が起こったせいである。その結果、為末さんに関する原稿の依頼がきてしまった。 為末さんの凍結の原因はさっぱりわからない。あのポストに原因があるのではという話があるが、普通に考えて、不快に思う人が出てくるであろうポストではあるけれど、Xの規約にひっかかるようなポストとは思えない。 「あのポストを不快に思ったフェミが大量に通報して」

    為末大の言う「友達」について考える:ロマン優光連載292
  • 『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』と『花束みたいな恋をした』:ロマン優光連載288

    三宅香帆氏によるベストセラー『なぜ働いているとが読めなくなるのか』(集英社新書)は非常な労作であり、様々な資料にあたりながら、明治以降の社会における読書というものの位置付けの変化を追い、現代日社会の労働が抱えている問題に言及するだ。タイトルを見て「そんなの忙しくて疲れてるからに決まってるじゃないか」と考える人もいるだろうが、人はなぜが読めなくなるまでハードに働かなければいけないのかという問題について考えているであって、そこは出発点である。 そして、ある意味で映画『花束みたいな恋をした』(2021年1月29日公開/監督:土井裕泰、脚:坂元裕二、主演:菅田将暉・有村架純)の考察でもある。けして、冗談ではない。菅田将暉演じる主人公・麦くんが就職したことで今まで親しんできた文学・音楽ゲーム映画などを楽しむことができなくなり、自己啓発を読み、パズドラしかできなくなってしまったこと

    『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』と『花束みたいな恋をした』:ロマン優光連載288
  • 「某芸人の痛ファン」騒動で思ったこと:ロマン優光連載286

    編集氏から「某芸人の痛ファンについてはどう思いますか」みたいな連絡があった。X(旧Twitter)上で話題になっていた件だ。いっとき、自分のTLでもよく見かけた話題である。 件の彼が書いているnoteがある種のオタクの内面を非常にわかりやすく文章化しており(彼のような考え方をしてしまうオタクも珍しくはないが、あのように解像度が高い内心の吐露は珍しい)、言及がしやすかったことが話題になることに繋がったのであろう。若い人であり、確かに変わった感覚の持ち主だが、単なる若さゆえの未熟さという部分もあるし、多数派ではない独自の感覚の持ち主が他人や社会との距離感を学習していく過程でおこった悲しい事故というのが個人的な認識だ。騒動の経緯を細かくあげて論評する必要性を感じない。加害を与えるつもりはないのに他人に加害を与えて嫌われるという、人にとっても望ましいものではない状況がなくなることを祈る、それぐら

    「某芸人の痛ファン」騒動で思ったこと:ロマン優光連載286
  • 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』はもったいない:ロマン優光連載275

    275回 『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』はもったいない X(旧Twitter)のTLに流れてくる評判の良さに釣られて映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』を観てきたのだが、感想としては「もったいない」という言葉が浮かんできた。 もったいない。当にもったいない。ゲゲ郎(鬼太郎の父。目玉おやじになる以前の姿)と水木のコンビの活躍が、これ以上見られないなんて…。 2人のバディ感が凄く良かったのだが、時系列の都合上、2人の活躍をこの物語以外に描くことは不可能! あのコンビの活躍がこれしかないなんて、当にもったいない。 若干のネタバレを交えながら、なんとなく話していこうと思うのだが、ネタバレが気になる人は気をつけてください。 今作での水木は『墓場鬼太郎』(原作・アニメ)に出てくる水木とも原作者・水木しげるとも違う独自のキャラクター。職業やラストで暗示されている大まかな今後の物語の流れは墓場・水木を踏襲してい

    『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』はもったいない:ロマン優光連載275
    Caerleon0327
    Caerleon0327 2024/01/20
    作品には角が必要で、いろんな意見を取り入れると無難で物足りない作品しかできない
  • 『あの子もトランスジェンダーになった』発売中止騒動を考える:ロマン優光連載269

    269回 『あの子もトランスジェンダーになった』発売中止騒動を考える 2024年1月24日にKADOKAWAから発売される予定だった『あの子もトランスジェンダーになった SNSで伝染する性転換ブームの悲劇』(著・アビゲイル・シュライアー/監修・岩波明/訳・村山美雪、高橋知子、寺尾まち子)が発売中止になった。 未成年の性別違和問題に触れただが、海外では資料の取り扱いや聞き取り相手の選択に関する手法に問題があると指摘されたり(同書が大きく参考にしているリサ・リットマン氏の研究自体がサンプルの選択に関する問題を指摘されているのだが)、トランスヘイトであるという否定的な評価もあるである。 発売告知後、日語タイトルやキャッチコピーがトランスジェンダーに対する偏見や差別を煽るものであると問題視され、海外での否定的評価を踏まえた上で同書がトランス差別のヘイトにあたるとしてX(旧Twitter

    『あの子もトランスジェンダーになった』発売中止騒動を考える:ロマン優光連載269
  • LGBT活動家による歴史改竄を松浦大悟が解説

    LGBTが社会において当たり前のこととして徐々に認められつつある今、同時に過去のLGBTにまつわる歴史が改竄されるという事態が進行している。元参議院議員の松浦大悟氏が、最近のいくつかの事例からLGBTにまつわる歴史改竄を解説する。 AAA與真司郎氏のカミングアウト劇場 読者の皆さんは、歴史改竄というと極右によるでっち上げを想像するかもしれない。だが近年、リベラル勢力による歴史の書き換えが目立つようになっている。そしてそれは、わが国のLGBT史においても着々と進行しているのだ。ゲイである筆者から見たいくつかの事例を報告したい。 先日、若者に人気の男女混合パフォーマンスグループAAA(トリプル・エー)の與真司郎氏がゲイだとカミングアウトし、大きな反響が巻き起こった。ニューヨーク・タイムズがインタビュー記事を掲載するなど、「保守的な社会である日で勇気ある行為」と海外でも絶賛された。だが、あるフ

    LGBT活動家による歴史改竄を松浦大悟が解説
  • 埼玉のトンデモ条例で話題となった埼玉県議・田村琢実とは?:ロマン優光連載261

    261回 埼玉のトンデモ条例で話題となった埼玉県議・田村琢実とは? 10日、埼玉県の虐待禁止条例の改正案が自民党埼玉県議団によって撤回された。 多くの人によって非難されているように、小学校三年生以下の子供だけで登下校、留守番(兄弟の中に高校生がいても)、公園で遊ぶなどさせることが虐待と見なされてしまう、子育ての現実と遊離した非現実的でひどいものだ。大人が自宅に常時いることが基的にできるような家庭でも虐待とされている全ての行為に当てはまらずにいるのは難しいだろうし、ましてや共稼ぎ家庭やシングルマザー・シングルファーザー家庭に対して考慮されているとは、とうてい思えない。あの条例を守れる人がいるとするならば、極々一部の極端に裕福な人だけだ。 罰則がないといっても「虐待者」であると認定される心理的負担も大きいだろう。 行政が学童保育の施設の数を増やしたり、ベビーシッターの普及をはかった上で、誰も

    埼玉のトンデモ条例で話題となった埼玉県議・田村琢実とは?:ロマン優光連載261
  • 現代美術家〈柴田英里〉インタビュー:彼女が“暴論”を吐き続ける理由【前編】

    著名人の発言や企業のPR、メディア記事などに、ポリティカル・コレクトネス(政治的な公正さ)への配慮が欠けていると見なされるや、一斉に糾弾される風潮にある昨今。ウェブ上では、毎日のようにポリコレを錦の御旗とした“炎上”が勃発している。その渦中で異色の存在感を放っているのが、現代美術家の柴田英里氏。彼女はいったい何を思って世の中を挑発し続けるのか。【前半記事】(※このインタビューは2021年4月に行われたものです) ポリコレに異論を唱える理由 ――「ポリコレ」という言葉を誰もが意識せざるを得ない社会状況の中で、柴田さんは、そこに異論を呈している印象があります。 柴田英里(以下、柴田) ポリコレの裏の目的をみんな語らなすぎるんですよ。例えばアメリカのプラスサイズ問題。アメリカって肥満と過体重を合わせると人口の7割を超えるんですよ。だからそもそも「普通」の体型の人なんていないじゃないかっていう話で

    現代美術家〈柴田英里〉インタビュー:彼女が“暴論”を吐き続ける理由【前編】
  • はあちゅう氏の裁判:ロマン優光連載244

    有名ブロガー・はあちゅう氏を巡る不思議な裁判の判決が出ました。 ①はあちゅう氏の「アンチ」であるA氏がTwitter上で、はあちゅう氏が自分のなりすましアカウントを作成したと言及する。 ②はあちゅう氏がA氏の複数の投稿についてプライバシー権の侵害や名誉を毀損したとして訴えたのだが、その中になりすましアカウントに対する言及も含まれていた。 ③A氏が裁判の過程で、なりすましアカウント作成に利用されたメールアドレスがはあちゅう氏の電話番号と紐付いていることを立証したところ、はあちゅう氏が請求を放棄する。 ④それ以外のものについては、はあちゅう氏の主張が5件中3件認められ、A氏には40万円及び遅延延滞金をはあちゅう氏に支払えという判決がでる。 ⑤はあちゅう氏がA氏のなりすましアカウントを自分で作成したにも関わらず、そのことに言及したA氏のツイートが名誉権を侵害するものであると訴えたことで損害を受け

    はあちゅう氏の裁判:ロマン優光連載244
    Caerleon0327
    Caerleon0327 2023/06/17
    最初の①~⑦がすごくわかりやすくて、助かった。
  • 米山隆一衆議院議員インタビュー:「国債は国の借金ではない」という「甘い夢」を斬る

    れいわ新選組に代表される反緊縮・積極財政派は、不況や貧困などの諸問題を「国債はまだまだ増えても問題ないから、どんどん発行して解決すべし」と主張する。これに対して、医師でもあり弁護士でもある異色の経歴の持ち主・米山隆一衆議院議員は異を唱え続けている。米山氏に「国債は国の借金ではない」論はなぜ間違っているのか語ってもらった。(※このインタビューは2022年12月に行われたものです。) 快感を呼ぶ“間違った”言説 ――米山さんはSNSやブログ上で積極的に発言をされ、経済政策についても多くのコメントを残されています。中でも、積極財政や反緊縮、MMT理論などの論者とSNS上では「レスバ」をなされていますが、その意図について教えてください。 米山 単純に「間違えているから」「間違った情報を発信しているから」ですね。私は間違った情報が流布するのは非常に嫌いなんです。 ――では、なぜ「間違った」言説が、大

    米山隆一衆議院議員インタビュー:「国債は国の借金ではない」という「甘い夢」を斬る
  • 鈴木エイトが斬る、統一教会の思う壺な言論人がドヤ顔で語る「山上を英雄視したせいで岸田首相襲撃が起きた」というデタラメ

    4月15日、岸田首相の演説中に、爆発物が投げ込まれる事件が発生。それを受けて「安倍元首相銃撃事件の山上被告を英雄視した報道のせいだ」「犯罪者の主張(統一教会問題)に耳を貸すな」という論調が蔓延した。その主張のデタラメぶりを、ルポライター村田らむ氏が統一教会問題を追い続けてきた鈴木エイト氏に訊く。 ※インタビューは2023年4月に行われ、実話BUNKAタブー2023年7月号に掲載されたものです。 首相襲撃以降のメディア批判論 4月15日、和歌山県の雑賀崎漁港に選挙応援に訪れていた岸田文雄首相に筒状の爆発物が投げつけられた。 異常事態に気づいたSPが防護板で爆発物を跳ね返し、首相は避難。爆発物を投げつけた犯人・木村隆二は、地元の屈強な漁師にガッチリ押さえられた。その後、かなり遅れて投げつけた筒がドンッ!! と大きい音をあげて爆発。爆発までに50秒と、かなり長い時間がかかったため、被害者は出な

    鈴木エイトが斬る、統一教会の思う壺な言論人がドヤ顔で語る「山上を英雄視したせいで岸田首相襲撃が起きた」というデタラメ
  • 1