ブックマーク / www.bookbang.jp (9)

  • 「異端の学者」「学会では低評価」 戦後の歴史学を一変させた網野善彦とはどんな人物だったのか? | レビュー | Book Bang -ブックバン-

    1980年代以降に『無縁・公界・楽』や『異形の王権』などの著書で「日中世史ブーム」を巻き起こし、「網野史観」を打ち立てたとも言われる歴史学者・網野善彦さん。多くの読者を獲得した一方で、「異端」のイメージを持たれることもあった。 そんな網野さんの没後20年を期に、その謦咳に接し、著作の解説も執筆する明治大学教授の清水克行氏が、イメージに反して「きわめてオーソドックス」であったという網野さんの研究を振り返り、当時のベストセラーであり今なお読み継がれる名著『歴史を考えるヒント』(新潮選書、2001年)から、網野さんの真の姿を紹介する。 清水克行・評「“異端の歴史家”の真実」 一九八〇年代からゼロ年代にかけて日中世史ブームを巻き起こし、「日」論や「日人」論の脱構築を試みた歴史学者、網野善彦さん(一九二八~二〇〇四)が亡くなって、今年で二十年が経つという。このタイミングで、代表作『無縁・公界

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  • 都内の公園で亡くなった「ホームレス女性」が遺した大量の手書きノートをまとめた本 部数は1万部以上に | レビュー | Book Bang -ブックバン-

    二十年ほど前、見知らぬ中年女性に突然話しかけられたことがある。「昨日から何もべていないので百円貸してくれませんか」。当時、学生だった私の中にあった“ホームレス”像と、目の前の彼女の姿はまったく重ならなかった。 昨年十月に刊行されたこの『小山さんノート』を読んで愕然とした。あのとき自分に見えていなかったもの、想像しようとしなかったものをそのまま差し出されたような気がした。 「そうやって自分ごととして考えながら、生きてきた時間や経験にひきつけて読んでくれる読者が多いんです。嬉しいし、このの在り方が通じているような気がしています」(エトセトラブックス・松尾亜紀子さん) 2013年末、都内の公園で亡くなったホームレスの女性「小山さん」。彼女が暮らしたテントの中には、なにやら手作りのキラキラしたものと、大量の手書きのノートが遺されていた。それらを有志の女性たちで書き起こし「身を切る思いで抜粋した

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  • 実験的な小説に授賞した川端賞に拍手!〈トヨザキ社長のヤツザキ文学賞〉 | レビュー | Book Bang -ブックバン-

    「新潮」2016年5月号 日で一番受賞が難しい文学賞は川端康成文学賞です。というのも、授賞対象が前年度に発表された短篇作品だから。書店に行って、五大文芸誌(「文學界」「新潮」「群像」「すばる」「文藝」)の目次を見てみて下さい。半分くらいが短篇小説で占められているのがわかるはずです。その一年分の中から選ばれるわけで、年に二回も開催され、対象が新人作家の発表した中短篇に限る芥川賞あたりと比べると、競争率の高さは半端じゃありません。 最終候補に残るのだって大変なことです。その意味で、受賞作以外のタイトルも公表してくれるのは小説ファンにとってありがたいかぎり。おそらくは三百篇近いであろう新作から候補に挙がったということは、たとえ落選したとしても優れた作品にちがいなく、読んでみたいという気にさせられるからです。 その証拠が過去のリスト。たとえば、色川武大「百」が受賞した第九回(一九八二年)の落選作

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  • 日常会話はなぜ成り立つのか? 「究極のフリースタイル」である言語を考える【いとうせいこう×ライムスター宇多丸・対談】 | 対談・鼎談 | Book Bang -ブックバン-

    「言語とはジェスチャーゲームのようなものだ」という画期的な見方を提示して話題になっている『言語はこうして生まれる 「即興する脳」とジェスチャーゲーム』。同書に刺激を受けたライムスターの宇多丸さんが、日語ラップの先駆けであるいとうせいこうさんと対談。コミュニケーション論から日語の歴史、フリースタイルラップと言語の変化などを縦横に語り合った。 会話の主導権は「聞く側」に? 宇多丸 このを読んだ時、いとうさんと話したいと思ったんです。 いとう うん。言語というと、ある言葉の「A」というイメージをそのまま運んで、相手がそれを受け取るという風に思ってしまう。でも、実際のコミュニケーションはそんなことはなくて、実は短波放送みたいにすごく雑多なノイズだらけの音の中から正しい歌詞を見出すみたいな作業をしているわけだよね。 宇多丸 そうです。さぐりさぐりで、なんとか工夫しながら、ジェスチャーゲームのよ

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  • スタジオ中が涙 アンガ田中がバラエティ番組でみせた母親への愛情 | エッセイ | ちょっと不運なほうが生活は楽しい | Book Bang -ブックバン-

    お笑い芸人・アンガールズの田中卓志による、ちょっと哀しいのにクスリと笑える日常とは? 文芸誌「小説新潮」の連載で明かされた可笑しみと悲哀がにじむエピソードを公開します。今回のテーマは「最高の事」です。 *** 事というものは、毎日のことで何気なく過ぎて行く。けれど、毎日の積み重ねだからこそ、色んな想いが詰まっていて、時にその感情が意外な形で僕の前に飛び出してくることがある。 僕は一人暮らし歴がもう26年になり、年齢が45歳なので、一人で暮らしてきた時間のほうが長い。 ここまで来ると、一人でご飯をべるということに全く寂しさを感じない。 よく芸人同士、仕事が終わると今日の収録の話や、他愛もない話をするために、みんなでご飯に行くことがあるけれど、それが大好きな芸人もいれば、正直それがなくてもいい芸人がいる。僕はどちらかといえば後者に近いと思う。 さっと家に帰ったら帰ったで、一人で好きなテレ

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  • 愛と性行為はひと続きか――女性の視点で可視化した性愛の非対称性 | レビュー | Book Bang -ブックバン-

    立ち止まって愛について考える。 第四十三回すばる文学賞を獲得した高瀬隼子(じゅんこ)のデビュー作、『犬のかたちをしているもの』は、セックスを軸とした興味深い小説だ。 三十歳の間橋薫(まばしかおる)は、ある日思いがけないことを知らされる。半同棲状態の恋人、田中郁也(いくや)がミナシロさんという女性を妊娠させていたのだ。戸惑う薫に、さらに意外な提案が示された。ミナシロさんは郁也の籍に入って子供を産む。しかるべき後に離婚するので、あとは薫と郁也の二人で育ててもらいたいというのだ。 二十一歳のときに卵巣の手術をして以来、薫はもともと好きではなかった性行為をさらに敬遠するようになった。郁也と付き合い始めたときも、そのうちにセックスをしなくなると宣言したのである。薫が好きだから大丈夫。そう言ったはずの恋人は、ミナシロさんと、金を払って体の関係を持っていた。その事実をどう受け止めるべきなのか。 性愛には

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  • タモリがジャズについて語る 村上春樹訳の評伝『スタン・ゲッツ』を読んで | レビュー | Book Bang -ブックバン-

    タモリさん 天才的ジャズテナーサックス奏者スタン・ゲッツの克明な伝記。ジャズファンなら必ず聴いているはずだがそれ以外の方なら、ボサノバの名曲「イパネマの娘」でテナーを吹いている人といえば思い出してくれるでしょう。ジョン・コルトレーンやマイルス・デイビスのようにジャズに革命を起こしたミュージシァンではないが、その時代に応じてまたその時の共演者によって美妙に反応し影響を受けながら自分の魂を深めていくジャズマンだ。その才能が見事に開花したのが「イパネマの娘」。ボサノバという当時ブラジルの片隅で生まれたポルトガル語でしか歌われなかった音楽を、全く無名の歌手アストラッド・ジルベルトに英語で歌わせジャズに巧みに取り込んで世界的にヒットさせた。これはジャズ史上最も多く売れたレコードのひとつで一九六五年グラミー賞において投票の結果ビートルズの「抱きしめたい」を抜き最優秀レコードに、またボサノバを創った一人

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  • 口下手なカラテカ・矢部太郎の言葉に会場中が号泣! 手塚治虫賞贈呈式の受賞スピーチ全文 | イベントレポート | Book Bang -ブックバン-

    感極まり思わず涙する矢部さん コミックエッセイ『大家さんと僕』で、芸人として初の快挙となる手塚治虫文化賞短編賞を受賞したカラテカ・矢部太郎さん。矢部さんが暮らす新宿外れの一軒家での、大家さんとの日常を描いた同作は、話題が話題を呼び既に38万部を超えるベストセラーとなっている。 6月7日に行われた手塚治虫文化賞贈呈式で、受賞スピーチした矢部さん。日頃はシャイで口下手な矢部さんだが、その日は何かが舞い降りたのだろうか。矢部さんの、熱く真摯な言葉に会場中が涙したという。 【試し読み】矢部太郎『大家さんと僕』を読む 家が近所で飲みに行くなど親交がある俳優の木下ほうかさんも、自身のTwitterで「授賞スピーチが、当に素晴らしかった‼️皆、感動して泣いた。彼は人生の喋りを、全部使い果たしてしまった~」とコメントしている。以下、皆を泣かせたという、矢部太郎の受賞スピーチ全文を掲載する。 *** (贈

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  • 村田沙耶香は変わってる!? 西加奈子も「あれ? この人……」 | 対談・鼎談 | Book Bang -ブックバン-

    西加奈子さん 西 初めて沙耶香ちゃんと会ったのは、2010年の9月に北京で行われた「日中青年作家会議」に出席したときでした。日側のメンバーは、茅野裕城子さん、山崎ナオコーラさん、中村文則さん、綿矢りささん、青山七恵さん、羽田圭介くん、そして沙耶香ちゃんと私。それまでも作品は読んでいたし、顔も知っていたので、クールな人だろうと想像していたんです。実際、空港で待ち合わせたときも、率先して「パスポート、集めます」と仕切ってくれたりして、なんと凜としたしっかりした人なんだろうと。でもしばらく一緒に過ごすうちに、「あれ? この人……」ってなってきて。 村田 それまで海外に行ったことがないわけではなかったけど、旅行自体に緊張していたし、もともとすごく人見知りな性格なんです。 西 海外旅行が怖すぎて、パスポートを腹巻きにいれてたんやっけ? 村田 盗難防止のために、服の下に巻くベルト状の貴重品入れを買っ

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