愛と性行為はひと続きか――女性の視点で可視化した性愛の非対称性 | レビュー | Book Bang －ブックバン－

立ち止まって愛について考える。 第四十三回すばる文学賞を獲得した高瀬隼子（じゅんこ）のデビュー作、『犬のかたちをしているもの』は、セックスを軸とした興味深い小説だ。 三十歳の間橋薫（まばしかおる）は、ある日思いがけないことを知らされる。半同棲状態の恋人、田中郁也（いくや）がミナシロさんという女性を妊娠させていたのだ。戸惑う薫に、さらに意外な提案が示された。ミナシロさんは郁也の籍に入って子供を産む。しかるべき後に離婚するので、あとは薫と郁也の二人で育ててもらいたいというのだ。 二十一歳のときに卵巣の手術をして以来、薫はもともと好きではなかった性行為をさらに敬遠するようになった。郁也と付き合い始めたときも、そのうちにセックスをしなくなると宣言したのである。薫が好きだから大丈夫。そう言ったはずの恋人は、ミナシロさんと、金を払って体の関係を持っていた。その事実をどう受け止めるべきなのか。 性愛には

[vndn]

本は未読だけど、『ただ当たり前に人を愛したいだけなのに、という薫の呟きが聞こえてくる。』のような「当たり前」の使われ方には違和感がある。

[cinefuk]

「背景には、異性間の性行為において女性のみが妊娠というリスクを引き受けなければならない非対称性がある。女性を取り巻く不自由さの輪郭が可視化される小説でもあるのだ。ただ当たり前に人を愛したいだけなのに」

[serio]

犬や猫は、ある日突然に「ボクは今日から隣の家のペットになる」と言い出したりはしないからなあ。NTRされる心配なく、犬猫からの愛情を安心して独占できる。支配-従属関係なので、対等な関係ではない。

[greenT]

ポイントは性行為そのものでなく性行為の独占。契約結婚とか言って性行為の義務のない結婚を望む者はいてもパートナーが別の者と性行為をすることまで許容できる奴はいない。それほど性行為は特権的地位にある

[navix]

“異性間の性行為において女性のみが妊娠というリスクを引き受けなければならないという非対称性”

[orzie]

高瀬 隼子『犬のかたちをしているもの』 (集英社, 2020/02/05)

[tomoya_edw]

読んでみたくはあるが、あらすじに使われている単語だけで説教の臭いがする。amazonレビューを見ると大体予想通りの事が書いてあり、オチも書いてある。悪いけどそれだけが知りたかったし、その結末からは虚無を感じる

[kiyo_hiko]

金とかのわかりやすい対価でっていうのが一番シンプルでいいと思う…冗長なプロトコルと腹芸が多すぎる。肉体ありきって好意は所有欲や装飾欲と混ざる元凶な気が