大阪府八尾市の一角に、3代続く小さな町工場「Jパックス株式会社」はある。従業員数34人。作っているのは、段ボールだ。 同社へ初めて問い合わせたのは、2018年9月に発生した北海道胆振東部地震の数日後のことだった。電話口に出た女性スタッフは、関西弁で「社長はしばらく北海道におるんですよ」と、愛想よくも残念そうに対応してくれた。 豪雨や地震、台風など、多くの自然災害に見舞われている今年の日本列島。東日本大震災から7年。我々はあの歴史的大惨事から何を学んだのか。それ以降の災害で設置されてきた各避難所の光景は、体育館や公民館の硬く冷たい床に毛布を敷いて身を寄せ合う7年前のそれと、さほど変わっていない。 これだけ日常生活の水準が高く、かつ、災害が多いと分かっている国で、いざ被災すると、そのQOL(生活の質)は急激に落ち、突然、我慢の生活を強いられる。そんな現実に打開策はないのかと追究していくうちに、