中部電力浜岡原発(静岡県御前崎市)から30キロ圏内に位置する同県藤枝市は26日、市内60カ所に11月から、浜岡原発までの直線距離や海抜を表示した看板(縦45センチ、横60センチ、アクリル板)を設置すると発表した。同市によると、周辺自治体で浜岡原発までの距離を示す看板設置は初めて。 同市は面積の約4分の1にあたる地域が30キロ圏に位置し、市役所も浜岡原発3号機から約29.1キロにある。緊急防護措置区域(UPZ)が半径30キロ圏に新たに導入されるため、多くの市民から浜岡原発までの距離や海抜の問い合わせが相次いだ。このため、正しい情報を周知し地震発生時の避難に役立ててほしいと、設置を決めた。市役所や市内すべての小、中学校、JR藤枝駅などに掲げられる。 北村正平市長は記者会見で「市民の安心のために意義がある」と述べた。【山本佳孝】
◇原発支える差別の構造 長崎県西海市大瀬戸町雪浦の物理学者、藤田祐幸さん(70)は、原発労働者の法的保護がこれまでまったく進まなかったのは、低線量被ばくによる確率的影響をもって個々のがんや白血病との因果関係を立証できないためだけではないと言う。 「要するに、僕たちの力が弱かったということです。政策は力関係で決まりますからね。僕たちはいつも原発労働者を代弁するような形で申し入れるわけですが、交渉の現場にその当事者である労働者がいないんです。だから非常に弱い。被爆者にしろ水俣病にしろ、当事者団体が交渉の場にいます。でも、被ばく労働者は組織自体が存在しないから、国も脅威を感じないんです」 ならば、なぜ被ばく労働者は組織化されなかったのか。重ねて問うと、藤田さんの口から「旧総評の犯罪」という厳しい言葉が返ってきた。 「総評が労働組合の組合員の権利を守ろうとした時、原発の被ばく労働は組合員以外の労働
経済産業省原子力安全・保安院は18日、原子力規制委員会の発足に伴って、事務局となる原子力規制庁に引き継ぐ行政文書142件が不明になっていると発表した。業務移管で、1万3411件の文書管理簿と現物を照合し判明した。 不明文書は大別すると2種類。うち1種類は、01年の保安院発足時に旧科学技術庁から移管された使用済み核燃料の再処理施設の検査結果など136件。もう1種類が、03年に経産省経済産業局から業務が引き継がれた東京電力福島第1原発の運転開始前の検査報告書など6件。 保安院の森山善範・原子力災害対策監は「引き継ぎ時の確認作業が不十分だった可能性がある。いずれもかなり古い文書で、業務に支障はない」と語った。【西川拓】
日本初の公害とされる足尾銅山鉱毒事件の解決に奔走した政治家、田中正造(1841〜1913年)が亡くなって来年でちょうど100年。鉱毒事件と東京電力福島第1原発事故の類似性に着目し、正造の思想や生き方から東日本大震災後の日本社会の在り方を探ろうと改めて注目が集まっている。【足立旬子】 物質上、人工人為の進歩のみを以てせば社会は暗黒なり。デンキ開けて世間暗夜となれり。 亡くなる約1カ月半前に正造が日記に書いた言葉だ。 菅井益郎・国学院大教授(日本経済史)は「鉱毒事件を通して正造は、近代とは何か、技術とは何かを徹底的に考え抜いた。技術の進歩にのみ頼っている社会は人間を滅ぼす。技術をコントロールするモラルや哲学が必要と警鐘を鳴らした」と解説する。 電気が普及し始め、誰もが豊かになると期待した時代に、正造はなぜ現代文明を痛烈に批判したのか。 近代技術の粋を集めたはずの足尾銅山から流出した鉱毒は、渡良
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