県は29日、東京電力福島第一原子力発電所の事故で飛散したとみられるプルトニウムが、大熊町夫沢の土壌から検出されたと発表した。原発事故が起きる前の8倍高かった。県は「他の調査地点は事故の前と同程度だった」としている。 県と政府の原子力災害現地対策本部は8月10日〜10月13日、県内計55地点を調査。過去の核実験で降り注いだプルトニウムの放射能と比べると、原発から南南西に1・6キロ離れた夫沢だけが著しく高かった。このため、県は「原発事故によるプルトニウムの可能性が高い」と判断した。 県は原発事故が起きる前から、県北、県中、県南、会津、南会津、相双、いわきの7地域地点で、土壌に含まれるプルトニウムの放射能を調査してきた。今回は原発周辺市町のうち夫沢を含む7地点を対象に加えた。 12月にはストロンチウムの調査結果も公表する見通し。