沖縄が「米国の信託統治だった」との記述が見られる書物 1972年の日本復帰までの沖縄の地位について専門書や小説などで「米国の信託統治下に置かれていた」という誤った記述が相次いでいる。2019年に直木賞を受賞した真藤順丈氏の沖縄を題材にした小説「宝島」には、「こんなに良心的な信託統治はない」など事実誤認につながるような記述が数カ所ある。出版元の講談社の担当者は「小説はあくまでフィクションだ」とした上で「文庫化(時期未定)の際は修正する」と回答した。琉球大の波平恒男教授は「信託統治制度は第2次世界大戦後の脱植民地化の流れにあったもので、沖縄は信託統治にはならなかったため独立への流れにならなかった。その上、信託統治であれば保障される諸権利さえ、沖縄では保障されていなかった」と指摘する。 国連の信託統治制度は、国連憲章12章で、国連の信託を受けた国が旧植民地などの信託統治地域の自治や独立に向けて施