日本の企業でもCEO(最高経営責任者)やCOO(最高執行責任者)のトップ呼称が普段でも使われるようになった。 そのほかにCFO(最高経営責任者)、CIO(最高情報責任者)、CRO(最高リスク責任者)も、経済紙誌などでみかけるが、CTO(最高技術責任者)は、このところ急速に浸透し始めている。MOT(技術経営)への関心の高まり、これと平行してCTOの存在がクローズアップされてきたからである。 しかし、CTOの実態については、いまひとつ理解されていない。実際は「研究開発本部長」「技術本部長」の域を出ていないケースがほとんどである。たまに「技術担当役員」という役職を持つ企業も見られるが、本来のCTOとは程遠く、CTOとして機能している企業はわずかでしかないとみていいだろう。 その原因は何かを探っていくと、日本企業の古い体質、つまりセクショナリズムがある。事業部門のことは口に挟まないでくれ、と