日本には「韓国通」がかなりいる。言語の部門だけを見ても、「韓流」にドップリと嵌(はま)り込んで、韓国語の簡単なあいさつ言葉を使う人から、ハングルの古い字体まで読みこなす人まで…。が、誰も語らぬことがある。韓国人は清音と濁音の区別が苦手なこと。端的に言えば、韓国人の日常の発音は、すべてが「半濁音」であることだ。 それは「悪いこと」「劣っていること」ではない。発音が原則「半濁音」である言語文化圏で生まれ育てば、耳はそれに順化し、発音もそれに従う。 しかし、「半濁音」である事実を客観的に捉えられないと、「わがハングルは、世界中のあらゆる言語の発音を表記できる」という夜郎自大に陥ってしまう。 誰も語らぬ―と書いたが、それは今日のことであり、私にそう教えてくれた人がいた。昔からの「韓国ウオッチャー」なら誰でも知っている町田貢氏(当時、在ソウル日本大使館書記官)だ。 「日本人会の食堂で言ってごらんなさ