半導体研磨剤の原料で世界シェア9割超を誇る扶桑化学工業の杉田真一社長は、市場拡大に伴って生産設備を拡充する動きが業界内で加速する結果、流れに乗り遅れないために行う投資の負担が業績の足を引っ張り始めているとの見方を示した。 同社は現在、鹿島事業所(茨城県神栖市)と京都事業所(京都府福知山市)で計500億円を投じ、半導体材料のウエハーを平坦にする工程で使われる研磨剤「スラリー」の主要原料、超高純度コロイダルシリカの増産体制構築を急ぐ。2025年7月時点の生産能力は23年3月期比で約1.5倍になる。 杉田氏はブルームバーグのインタビューで、「これまで3年や4年に1回ならうまく償却を吸収できた」ものの、直近の設備投資については、「稼いでも稼いでも借金を払っているみたいな感じ」だと話した。両事業所を含む減価償却費は今期(24年3月期)に73億円、来期は94億円を見込む。政府の補助金を見込んでも台所事
台風で仕事が休みになりそうなので暇つぶしに。 3年くらい前に日本の半導体産業の近況をまとめたのですが、ここ数年で政治家の先生たちが何かに目覚めたらしく状況が大きく変わりつつあるので各社の状況をアップデート。 前回の記事 https://anond.hatelabo.jp/20200813115920 先端ロジック半導体■ JASM (TSMC日本法人) 熊本工場:28nm, 22nm (工場稼働時) / 16nm, 12nm (将来計画) 日本政府の補助金とソニー・デンソーの出資という離れ業により、業界人が誰も信じていなかったTSMCの工場進出が実現した。現在は建屋の建設が進んでおり、順調にいけば2024年内には量産開始となる。生産が予定されているプロセスはいずれも世界最先端に比べると古いものだが日本では最先端であり、HKMG(ハイケーメタルゲート、トランジスタの性能を上げる技術)やFin
日本酒「獺祭(だっさい)」蔵元の旭酒造(山口県岩国市)は2月17日、2022年・2023年製造部入社の大卒新入社員の初任給を、従来の月額21万円程度から30万円に引き上げると発表した。 同社では2022年、「5年で平均基本給を2倍」を掲げ、2026年度の製造部の給与を、2021年度比2倍以上を目指すプロジェクトを開始。そのために、初任給、既存社員給与共に2026年まで段階的にベースアップを実施している。 「獺祭」の海外輸出金額は、2021年9月期に国内販売額を超えた。旭酒造では世界中のアルコール市場やラグジュアリー市場で、より多くの厳しい目に獺祭の品質やブランドがさらされるとし、「獺祭の価値の中心を担う製造メンバーが誇りを持ち、美味しさを追求し続ける酒造りの環境を作りたいと考えている」などと説明。そのような環境構築手段の一つとして、製造社員給与の引き上げを決断したという。 処遇以外の環境構
100万人の雇用と、15兆円もの貿易黒字が失われかねない――。 脱炭素の遅れで自動車は輸出できなくなり、最大の輸出産業で雇用が失われる。トヨタ自動車の豊田章男社長が“必死の警告”を続けている。 菅義偉首相の「2050年カーボンニュートラル宣言」の後、日本自動車工業会(自工会)の会長として宣言に賛成した上で、このままでは「産業が崩壊する」と叫び続けているのだ。 「カーボンニュートラル2050、これは国家のエネルギー政策の大変化なしに達成は難しい」「ここで手を打たないと、モノ作りを残して、雇用を増やし、税金を納めるという、自動車業界がやっているビジネスモデルが崩壊する」(2020年12月17日) 「車の競争力をどれだけ上げたとしても、このままでは日本で車を作れなくなる」(2021年3月11日) 「クリーンエネルギーを調達できる国や地域への生産シフトが進み、日本の輸出や雇用が失われる可能性がある
業界人です。お盆休みに帰省できず暇を持て余した友人から急にSkypeがかかってきて、「そういえば日本の半導体産業って衰退してるってよく言われるけど今どんな感じなん?やっぱり人件費で中国韓国に勝てないの?」みたいなことを聞かれて、日本の半導体産業の規模感って一般にあまり知られていないと思ったので、備忘録的に日本で半導体を製造している主要メーカーとその工場について書いてみる。 始めにロジック半導体とメモリ半導体から。気が向いたら他の分野も書く。 追記:書いた https://anond.hatelabo.jp/20200813164528 はじめに 半導体製造コストの人件費について半導体工場で使用される製造装置は寡占化が進んでおり、世界中どのメーカーでも使われる装置自体に大差はない。 この辺の記事 (https://eetimes.jp/ee/articles/2003/17/news048_
【ロンドン=篠崎健太】2040年までにガソリン車とディーゼル車の販売を禁止する方針の英政府が、対象にハイブリッド車(HV)も含める案を検討していることが明らかになった。複数の英メディアが4日報じた。トヨタ自動車の「プリウス」など、現行のHVは将来売れなくなる恐れがある。現実になれば自動車メーカーの戦略に大きく影響しそうだ。英政府は17年7月、内燃機関で走る車の販売を40年までに禁じる方針を打ち
根本にある「TQM」の衰退 新年早々に開催された米ラスベガスでの家電見本市や、現在デトロイトで始まった北米自動車ショーでは、各社とも自動運転などの最新技術を提案した。こうした新技術がニュースの話題にならない日はない。1月16日付日本経済新聞は1面で、島津製作所が人工知能を使って2分間でがんを判別できる装置を開発したと報じた。 技術革新によって、新しい商品がこれから続々と生まれてくるだろうが、昨今の日本企業で起こるトラブルを見ていると、肝心の「品質」は大丈夫なのだろうかと思わざるを得ない。 今年に入ってすぐに、旭硝子の子会社で顧客と取り決めた検査を一部実施せずに出荷していなかったことが発覚した。昨年は、日産自動車やSUBARU(スバル)による「無資格者の完成車検査」が世間を騒がしたほか、日本経団連会長企業である東レの子会社でも製品検査データを改ざんしていた。 ここ10年くらいの動きを見ていく
楽天がAmazonに勝てない理由 1 名前:ノチラ ★:2017/06/18(日) 00:32:52.66 ID:CAP_USER.net かつて国内ネット通販の二大巨頭として激しい勢力争いを繰り広げてきたアマゾンと楽天に、決定的な違いが生じつつある。次々と新しいサービスを繰り出すアマゾンに対して、楽天は具体策を打ち出せない状況が続いている。アマゾンと楽天は何が違ったのか、今後、楽天に復活の可能性はあるのかについて探った。 「楽天ポイント」に頼りすぎ 楽天の2016年12月期決算は、営業利益が前年比17.6%減の739億円と2期連続の減益となった。売上高は9.6%増だが、主力のEC事業で販促費用がかさみ利益を圧迫した。減益要因のひとつといわれているのが、同社が2016年1月からスタートさせた「楽天スーパーポイントアッププログラム(SPU)」である。 これは楽天市場におけるポイント制度を大幅
(英エコノミスト誌 2014年7月12日号) 多くの国はドイツのミッテルシュタントのような中小企業群を欲しがっている。それを真似るのはそう簡単ではない。 「ミッテルシュタント」と総称されるドイツの中小製造業者は、世界第4位の規模を誇るドイツ経済の屋台骨を支える企業集団としてよく称賛される。個別に見ると、こうした企業は才能を隠すことにかけて世界的なリーダーだ。こうした中小企業は概して同族経営で、小さな町に本社を構え、自社の専門的な機械や部品を購入する企業にだけよく知られている。 「我々は金を掘り当てようとしているのではない」。実験装置メーカー、ザルトリウスの最高経営責任者(CEO)、ヨアヒム・クロイツブルク氏はこう言う。「我々は金採掘業者にショベルを販売しているのだ」 だが、ドイツの隠れた一流企業はますます、一定の世界的名声を博しつつある。大勢の人がトヨタ自動車を研究するために1970年代に
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