(2010年9月16日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) あれは一種のウイニングランだったのかもしれない。日本の与党民主党の代表選挙が菅直人首相の勝利という形で決着した翌日、日本政府は円安誘導のために為替市場に介入した。この動きは、日本政府の政策の麻痺状態からの歓迎すべき脱却だが、その重要性は経済的というより政治的なものだ。 日銀に円売りを指示することは、菅氏に敗れた挑戦者で、代表選で介入を強く訴えていた小沢一郎氏の支持者を喜ばせたことだろう。民主党にとってもっと重要なのは、介入が、1年前の選挙での圧勝以来低下してきた党の支持率を高める可能性があることだ。 円の対ドル相場が着実に上昇してきたことで(9月14日には15年ぶりの高値水準である1ドル=83円台を突破した)、輸出業者は動揺していた。 介入効果は長続きしない 企業のオーナーたちは、円相場を押し下げること(16日は1日で3%下落した)