「中国盲目人権活動家」陳光誠事件の核心とは何なのか――。 それは、7年間に及ぶ山東省地元当局の迫害を受け続け、ついに故郷・東師古村を脱出した陳が、家族の安全を最優先して米国に出国するか、あるいは国内に残り、人権擁護活動を続けるのか、という問題だった。4月26日午後に北京の米国大使館に保護された陳の心情はその狭間で揺れ動き続けた。海外に行けば、自分の影響力が低下することは熟知していたが、最終的な渡米というのは、妻子と一緒に自由な生活を獲得するという一線を譲らなかった結果だった。 人権問題重視を内外に訴えるため陳一家の安全をどう守るか、を最優先した米政府が水面下で中国政府との間で進めた外交交渉も陳の意向に大きく左右された。 「保護」を決定したクリントン長官 4月26日、陳光誠を保護してほしいと連絡を受けた米大使館は、国務省に報告し、クリントン国務長官はその日のうちに「保護」を決定した。 その後