「人魚の肉を食すると不老不死・不老長寿となる」という物語は、八百比丘尼の伝説・昔話として有名でもあるし、仮にそれらを読んだり聞いたりしたことは無くても、高橋留美子の連作漫画『人魚の森』シリーズを読んだから何となく知っているという人も少なくない。 しかし、そもそも何故、人魚の肉を食したら不老不死・不老長寿となるのか?その理由というか説明については、知らない人も多いのではないだろうか。 これを書いている増田が、その理由らしきものについて書かれたものを最初に読んだのは、神話学者・大林太良の著書『神話の話』(講談社学術文庫)であった。この現物を、確かに所有しているはずなのに本棚や倉庫の中から見つけられないので、ここでは記憶を頼りに大林説を書き起こすが、もしも『神話の話』の現物を持っている人は、そちらを見た方が早い。図書館で探してもよい。 まず、八百比丘尼伝説の概要は、大同小異、以下のようなものであ
医療現場の負荷軽減へ縮小運用を続ける感染者情報管理システム「HER-SYS」。実は、厚生労働省が約10年かけて開発を進めてきた別の感染把握システムがある。「症例情報迅速集積システム(FFHS)」と呼び、現場の負荷を極力抑えたものだ。だが厚労省はなぜかFFHSを採用せず、HER-SYSを急造する選択をした。累計50億円以上を投じたHER-SYSを含め、決定の経緯と結果の検証が必要だ。 新型コロナウイルス対策に活用する「新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理支援システム(HER-SYS)」がたび重なる運用見直しに追われている。その大きな要因の1つが、国が医療機関や保健所に求める入力事務の負荷の高さだ。 当初は患者の個人情報や症例に加え、濃厚接触の追跡に使う関連情報など約120項目の入力が必要で、1件に20~30分を要したという。医療現場から改善要望が強く、厚生労働省は2020年末に発生届と同
バナナをテープで壁に貼り付けた作品を独占できるのか? 著作権法の「似ている」と「似ていない」を消化するアート界に大きなサプライズをもたらしたマウリツィオ・カテランの《コメディアン》。ダクトテープでバナナを貼り付けた(だけ)のこの作品が、自身の著作権を侵害しているとしてジョー・モーフォードによって訴えられた。「見た目が似ている」ことと著作権法上の「似ている」はイコールなのか? ライフワークとしてArt Lawに取り組む弁護士・木村剛大が詳しく解説する。 文=木村剛大 マウリツィオ・カテラン コメディアン 2019 出典=ペロタンウェブサイト(https://www.perrotin.com/art-fairs/art-basel-miami-beach/8200) マウリツィオ・カテランの《コメディアン》は、本物のバナナをグレー(シルバー)のダクトテープで壁に貼り付けた作品である。2019
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