内容中華人民共和国は,その成立後,大胆な文字改革を推し進め,よく使われる漢字の字体を簡略化して画数を減らした簡体字(かんたいじ)を正式な字として採用しました。簡体字の中には,日本人にもすぐ分かるものもあれば,书(書),龙(龍),华(華),机(機),云(雲)のように知識が無ければ読めないものも多くあります。それぞれの字はどのようにして決まったのでしょう。 簡体字は建国後に突然作られたものではなく,多くは民間で通用していた字を採集したもので,それを正式の字として採用することは,中華民国の時代にも試みられていたものです。その背景には,日本と同じく近代化のために文字改革が必要という認識がありました。また,大きく分けて,(1) 漢字を全廃して表音文字化(ローマ字化)しようという派と,(2) 漢字の改革にとどめようという派があったことも,日本と似ています。中国の文字改革に関わった人々の中には日本に留学