「法則なき処にはいかなる世界もあり得ない」として柳さんが掲げているのは「用の美」からはじまる以下の11の法則です。 工藝の本質は「用」である工藝の最も純な美は、日常の用器に表現される多く作られることによって、工藝はその存在の意味と美とを得る工藝の美は労働と結ばることなくしてはあり得ない労働の運命を担う大衆が、相応しい工藝の作者である民衆の工藝であるから、そこには協力がなければならぬ手工藝にも増してよき工藝はない正しい工藝は天然の上に休む高き工藝の美は無心の美である個性に彩る器は全き器となることはできぬ。古作品の美は没我の美である工藝においては単純さが美の主要な要素である 僕には、これらの11の法則が、いま注目を集めるIDEOのイノベーションの技法や、人間中心設計といったデザインの方法をはるかに先取りしたものだと感じられます。第1の法則からして「用の美」を説いているわけですから、それが人間中