「下車勤(ゲシャキン)はまずい…」。取り調べを受けた多くの社員らが、その単語に嫌悪感をにじませていた。宅配便大手「佐川急便」東京営業所(江東区)の運転手が勤務中の駐車違反を隠すため、知人の男性を出頭させた事件。最近は「佐川男子」と呼ばれている配達員だが、警視庁の捜査で、身代わり出頭が営業所内で蔓延(まんえん)していたことが明らかになりつつある。わざわざ社内外の人物を巻き込んでまで事実を隠蔽(いんぺい)しようとした背景には、いったい何があったのだろうか。 「まかり通る空気あった」交通捜査課が犯人隠避教唆などの容疑で逮捕したのは、同社の営業担当の係長2人を含む男6人。2人の逮捕容疑は平成26年11月と今年4月、部下の40代の男性運転手2人の駐車違反について、それぞれほかの容疑者らに身代わりを探すよう依頼し、ほかの容疑者らの知人を警察署に出頭させたとしている。 係長は運転手が摘発されたことを申し