科学技術白書がようやく日本の学術的発信力の低下を認めた。 それについて『サンデー毎日』に所見を寄稿した。もう2週間前なので、採録。 先日発表された科学技術白書がようやく「わが国の国際的な地位の趨勢は低下していると言わざるを得ない」ことを認めた。 「引用回数の多い論文の国際比較で日本は10年前の4位から9位に転落した。論文数も減って2位から4位になったが、4倍に増えた中国はじめ主要国は軒並み増加している。」(毎日新聞、6月14日) 各国の政府の科学技術関係予算の伸び具合を00年と比べると、中国が13.48倍(2016年)、韓国が5.1倍(同)、日本は1.15倍(2018年)。博士課程への進学者はピークの03年度を100とすると2016年度は83。海外派遣研究者の数も00年を100とすると2015年度で57にまで減った。注目度の高い研究分野への参画度合い(14年)では、米国91%、英国63%、
7月7日に日本家庭科教育学会というところで「家庭科のたいせつさ」についての講演とシンポジウムに出るはずだったけれど、大雨のせいで交通が乱れたので、学会にゆくのを諦めた。 こんな話をする予定だったので、抄録だけ。 僕が家庭科がだいじだと思ったわけ 子どもが6歳のときから18歳の時まで父子家庭だった。その間にはよく家事をした。 父子家庭という大義名分があったので、日々エプロンをして楽しく働いた。でも、そのうち、娘が家を出て、一人暮らしになったら、ぱたりと家事を止めてしまった。手の込んだ料理も作らないし、縫物をすることも間遠になった。 能を稽古しているので、紋付の半襟を縫い付けるくらいのことはたまにやるけれど、どうせ自分の着物だと思っているせいで仕事がぞんざいになる。とても娘の体操着に名札を縫い付けた時の集中力には及ばない。 私は家事仕事が好きだし、けっこう得意だけれど、いつでも時間を忘れて熱中
ある地方紙に月一でエッセイを書いている。これは 5 月に書いたもの。 日替わりで行政の不祥事が報道されているので、この記事が新聞に出る頃に日本の政局がどうなっているのか皆目見当もつかない。だが、どちらに転ぼうとも「行き着くところまで行く」という流れに変わりはないだろう。 「行き着くところまで行く」というのは、言い換えると「このままの方向に進むととんでもないことになるということがわかっていても、手をつかねて何もしない」ということである。「最悪の事態が到来するまで何もしない」というのは日本人の宿痾である。 組織的危機の到来を警告する人間は日本社会では嫌われる。 事故を起こした原発でも、コンプライアンス違反や法令違反を犯した企業でも、「こんなことを続けていると、いつかたいへんなことになる」ということを現場の人間は知っていたはずである。自分たちがやるべき手順を抜かし、守るべきルールを守らず、定めら
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く