古本屋で背表紙を見てぴんときた本を手にとったら、値札は貼られたいたものの値段が書いていなかった。店主に言ったらはははと笑って、うーん、と悩んだあと、400円でどうか、と言われたのでそのまま買った。客の前で値付けするのって私だったら緊張してしまうな。多分おまけをしてくれたのだろう。アゴタ・クリストフの新品同然の作品が安く売られていたので一緒に買ってしまった。からからだった古本屋に、自分が入った後にたくさん人が入ってくるとうれしい。 その近くの別の古本屋にも入る。密かに好みの傾向に共感していた外国文学の棚が解体され、ミステリーやSF、純文学などジャンル別に散らばっていた。良いけどちょっと寂しい。音楽、美術、ミステリー、SF、ルポルタージュ、歴史、写真、詩歌、哲学、科学、純文学、漫画、絵本などそれぞれのラインナップの中での充実を見ていると良い古本屋の店主には全知全能でないとなれないのではと思う。