31才の若さで早世した梶井基次郎(1901~1932)の代表作『檸檬』。 病苦と借金苦で鬱々としていた主人公を、1個の檸檬(レモン)が慰めてくれる短編の傑作は教科書にも登場します。 西洋社会におけるレモンの歴史は古く、古代ローマ時代、中世、近世と文献や絵画の中にその姿を残してきました。凜列なその香りは、『檸檬』の主人公を鬱々とした気分から救ったのと同様に、ポジティブな意味合いを持ち続けてきました。 地中海世界では生活の一部と化しているレモン フィンセント・ファン・ゴッホ《Still Life with Lemons on a Plate》1887年、カンヴァスに油彩、21 x 26.5 cm、アムステルダム、ゴッホ美術館蔵 [Public domain], via Wikimedia Commons イタリアは、コーヒーを愛好する国。 そのため、町中に星の数ほどあるバールでも紅茶を頼む人は
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