海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」が衝突した事故で、あたごが最初に漁船を視認した後も、衝突1分前に急制動をかけるまで自動操舵(そうだ)装置で航行していたことについて、「漁船が多い海域で、自動操舵のまま進んだのは非常識だ」と指摘する声が相次いでいる。 海自側は「(夜間の責任者の)当直士官の判断にゆだねられている」としているが、身内からでさえ、「あの海域で自動操舵するなんて職務怠慢だ」との厳しい声もあがっている。 自動操舵装置はコンピューターで設定した一定の方向と速度で、船を航行させることができる。手動の場合、潮流などの影響で針路や速度が微妙に変化するため、常に自船の位置を確認し、針路や速力を修正する必要がある。 「自動から手動への切り替えは簡単だが、手動では人手も余計にかかるため、疲れている時などは面倒に感じて自動操舵を続けたこともあった」と、ある元海自幹部は明かす。 海上保安