「蒋介石秘録〈12〉日中全面戦争 (1976年)」は1976年12月17日にサンケイ新聞社から出された本です。 現在は反中世論誘導のため、南京事件否定論のプロパガンダに余念のない産経新聞ですが、1970年代までは南京事件の否定などはしていませんでした。 国際社会において台湾が中国としての地位を失いつつあった1970年代、反共右翼は台湾に変って中華人民共和国が中国として世界に認められるのを苦々しく思っていました。反共右翼にとって、「反共」「大陸奪還」を主張する蒋介石台湾を支援するのは当然の成り行きだったわけです。 「蒋介石秘録」は、蒋介石が自己の正当性を訴えるためのプロパガンダでもありましたから、当然の如く中国共産党、特に毛沢東を誹謗中傷する内容に満ちています。1970年代当時の反共右翼にとっては、これで充分だったのでしょう。 徒に、南京事件否定論を展開して台湾の国民党を刺激したくなかったの