今年もまた、政府主催による「建国記念の日」の式典は開催されない。まことに残念である。 自民党は一昨年の衆院選で、政府主催の式典開催を公約に掲げた。圧勝して政権を回復したにもかかわらず、公約はいまだ実現をみていない。 昨年末に靖国神社に参拝し、「国民との約束」(菅義偉官房長官)を果たした安倍晋三首相の英断は高く評価されるものだが、建国を祝う行事の開催も「国民との約束」ではなかったろうか。 そもそも「建国記念の日」は明治5年、日本書紀が記す初代神武天皇の即位の日に基づいて政府が定めた「紀元節」に始まる。 当時の日本には、西欧列強がわが国を植民地にするかもしれないとの脅威がひたひたと押し寄せるなか、日本の独立を守り、世界に伍(ご)していける近代的で強い国をつくることが求められていた。 紀元節の制定は、国の起源や一系の天皇を中心に継承されてきた悠久の歴史に思いを馳(は)せるとともに、日本のすばらし