待機児童対策で保育所が急増するにつれて、保育士不足が深刻化している。特に首都圏で顕著で、東北など地方での求人に力を入れる保育所が増えている。待遇改善につながるとの期待がある一方で、地方からの人材流出を懸念する声も上がる。 「子どもの自主性を大切にします」「海外研修があります」。仙台市の東北福祉大で6月に開かれた説明会。首都圏で保育所を運営する八つの企業や社会福祉法人は、保育士の資格を得るために同大で学ぶ約400人の学生に語りかけた。 保育所や学童保育など83施設を運営するグローバルキッズ(東京都千代田区)のブースでは、同大の卒業生で横浜市の保育所で働く高野多希子さん(25)が、自身の体験を語った。「最初は関東に行くのは不安だったけど、楽しくて充実している。一度見学して、運命の園を見つけてほしい」 説明会に参加した子ども科学部4年の佐藤結衣さん(21)は地元の公立保育所が志望だったが、首都圏