かす汁など冬の家庭料理で親しまれている酒かすに含まれる成分が、肝臓を保護する効果があるという研究結果を、月桂冠総合研究所(京都府伏見区)がマウスを使った実験で明らかにした。 酒かすをそのまま食べただけでは効果は限定的とみられるが、酒かすの利用法で選択肢が広がるとして、月桂冠は今後、成分を機能性食品などとして商品化することを検討するとしている。 強い酸化力をもつ「活性酸素」が体内で増えると、臓器が傷つくなどして、様々な病気を引き起こす。特に肝臓は血液にのって活性酸素や過酸化脂質が集まりやすく、酸化を防ぐことが重要だと考えられている。 同研究所の堤浩子・副主任研究員、大浦新・副主任研究員は、日本酒を製造する過程で副産物としてできる酒かすの約6割を占めるたんぱく質に注目。これを酵素で分解してペプチドと呼ばれる断片にし、その働きを調べたところ、肝臓内で活性酸素を防御する働きがあるグルタチオン