火星衛星フォボスとデイモスの起源・進化の現状理解 原文 - 日本惑星科学会誌「遊・星・人」第27巻(2018)3号 - PDF 火星衛星フォボスとデイモスの起源・進化の現状理解 特集「火星圏のサイエンス」 : March 31, 2020, 2020. Published 兵頭龍樹、玄田英典(東京工業大学地球生命研究所) ※ この遊星人記事は、日本惑星科学会遊星人編集専門委員会より許可を得て掲載しております。 要旨 火星には二つの小さな衛星フォボスとデイモスが存在する.この二つの衛星は JAXA のサンプルリターン計画(通称 MMX 計画,Martian Moons eXploration)のターゲット天体に選定され,その起源と進化の深い理解は探査の科学的価値の最大化,および,火星史の解明において重要となる.歴史的に火星衛星の起源は飛来した小天体が重力的に捕獲されたと考えられてきたが(捕獲