ガリレオに帰される「それでもそれ[地球]は動いている」という言葉がある。この言葉をガリレオは本当に口にしたのだろうか。この問題については重要な研究上の進展が2020年に報告されている。Mario Livioによる下記の記事である。ここではLivioの報告を簡単に紹介することにする。 blogs.scientificamerican.com 「それでもそれは動いている」という言葉をガリレオが口にしたというのは、後世にできた作り話だろうというというのが、かつての共通見解だった。この話が最初に現れるのは、Giuseppe Baretti.という人物が1757年に出版した『The Italian Library』という書物においてである。ガリレオの死後100年以上経過している。 状況を変えたのは、ガリレオ研究者であるAntonio Favaroが1911年に受け取った手紙であった。手紙の差出人は、