40年前のアポロ計画で得られたデータと月探査機「グレイル」による測定などから月の内部構造が推定され、「マントルオーバーターン仮説」と呼ばれる月の形成史を支持する結果が得られた。 【2015年12月22日 国立天文台 RISE月惑星探査検討室】 月の内部構造を知ることは、月の誕生や進化を理解する鍵の一つである。約40年前に実施されたアポロ計画の観測で月にも地震がある(月震)ことがわかり、そのデータから月の内部構造の研究が進んだが、月の表面から約1200kmより深い部分(中心から540km以内の部分)については不確かさが残ったままだった。 月の内部構造を知る手がかりは、月の回転や変形を詳しく調べることからも得られる。月の回転はアポロ時代からレーザーで観測され続けており、月の変形に伴うわずかな重力変化は近年NASAの探査機「グレイル」によって高精度に観測され、これらの測月観測から、月の変形のしや
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