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ブックマーク / academist-cf.com (9)

  • 動物はどのように秩序だった群れをつくるのか? – アクティブマターの物理で迫る、線虫の群れ形成メカニズム

    動物はどのように秩序だった群れをつくるのか? – アクティブマターの物理で迫る、線虫の群れ形成メカニズム 「アクティブマターの物理」とは? 水族館のイワシの群れが秩序だって美しく泳ぐ様子を、みなさんはご覧になったことがあるでしょうか? 夕暮れどきに飛ぶ鳥の群れは、バードウォッチャーにとって絶好のシャッターチャンスです。イワシや鳥は誰かに指示されているわけでもないのに、なぜ動く方向を揃えてかたまりを作りながら、あちこち移動できるのでしょうか? これはよく考えても答えが出ない不思議な現象です。 分子がたくさん集まったときに何が起こるかは、統計物理学という分野で深く研究されてきました。統計物理学の手法などを用いながら、生物のように自ら移動する物体が集まったときに起こる現象を研究する「アクティブマターの物理」という新しい学問分野があります。 アクティブマターの物理は、タマス・ビチェックによる数理モ

    動物はどのように秩序だった群れをつくるのか? – アクティブマターの物理で迫る、線虫の群れ形成メカニズム
    Ditty
    Ditty 2019/04/15
  • “車輪細胞”見つけた! – 魚類皮膚の細胞が移動する原動力とは

    車輪生物はなぜいない? 車輪は人間の最も優れた発明のひとつです。私たちは自転車、自動車、列車などを利用して、地表を自由に移動することができます。同じ距離を同じ時間をかけて自転車で移動するのとランニングで移動するのを比べたとき、自転車で移動したほうがはるかに楽なことからも、車輪という移動装置がいかにエネルギー効率の高いものであるかわかります。 生命現象のエネルギー効率は人工機械のエネルギー効率よりも高いと一般的に言われています。それならば、生物は進化の過程で車輪を移動器官として獲得していてもよいはずです。しかし、大腸菌やサルモネラ菌のような細菌の鞭毛のモーター、ウンカの幼虫の後脚の歯車など、回転運動する器官は生体内に存在するものの、車輪そのものを器官として持ち、その器官を使って移動する生物はいまだ発見されていません。 車輪生物がなぜいないのかという疑問はさまざまなところで取り上げられています

    “車輪細胞”見つけた! – 魚類皮膚の細胞が移動する原動力とは
    Ditty
    Ditty 2018/08/13
  • 水銀から金をつくる「原子炉錬金術」を実証する! | academist (アカデミスト)

    大塚美穂 夢物語ではありません。元素の核変換が生じる原子炉の仕組みを活用して、戦略的に元素を生成するための研究が進んでいます。不要なものから必要なものを、豊富なものから希少なものを、安価なものから高価なものを。期待が膨らむこの技術の実現に向けて、高木さんと竹澤さんは、象徴的な元素である「金」の生成を実証することで第一歩を踏み出したいと言います。現代の「錬金術」を志す2人の研究者のチャレンジに、応援をよろしくお願いします!       2018年7月16日に開催される都市大セミナー「元素合成 ー宇宙と原子炉の錬金術ー」の案内はこちらからご覧いただけます。 原子炉内で生じる核反応 みなさんは原子炉という言葉を聞いてどのようなイメージをもつでしょうか。原子力発電を思い浮かべ、エネルギーを生産するもの、なにか危ないもの、といったイメージをもつ方が多いのではないかと思います。原子炉とは、核分裂連鎖反

    水銀から金をつくる「原子炉錬金術」を実証する! | academist (アカデミスト)
  • 空気を肥料とする植物は可能か? – 光合成生物で窒素固定酵素を作動させる試み

    ハーバー・ボッシュ法による窒素肥料生産と環境問題 窒素は、肥料の三大要素「窒素・リン酸・カリ」の筆頭にあげられ、植物の生産性を決める主な要因のひとつです。20世紀以降世界の人口は急速に増加し、現在75億に達しようとしています。この急速な人口増加は、1940年代から60年代にかけて収穫量の高いイネやコムギの栽培品種がつくられ、穀物生産量が飛躍的に増大したことで実現しました。これがいわゆる「緑の革命」です。これら栽培種に高い収穫量を発揮させるには、充分な窒素肥料が必須です。20世紀初頭にフリッツ・ハーバーとカール・ボッシュによって工業的窒素固定が確立され、この需要に応えられる窒素肥料供給が可能となっていたことが「緑の革命」の実現の必須要件でした。 ハーバー・ボッシュ法として知られる工業的窒素固定では、空気中の窒素を高温(500〜600℃)・高圧(200〜500気圧)条件、金属触媒存在下で水素と

    空気を肥料とする植物は可能か? – 光合成生物で窒素固定酵素を作動させる試み
  • 小さな物体にはたらく重力の実験で、4次元以上の異次元空間を探す

    万有引力の法則は正しくないかもしれない 近代科学の出発点に位置するニュートンの万有引力の法則は、実は小さな距離では正しく成り立つのかどうか、今でも実験でよく確認されていません。特にミクロンスケール以下では重力の存在自身すらも、誰も確認できたことがありません。一方で、その破れは3次元を超える異次元空間、つまり4次元以上の「余剰次元」の空間の存在を示す鍵となる可能性が高く、実験的な検証が注目されています。 私たちは小さな物体間にはたらくきわめて微弱な重力を計測する技術を開発し、余剰次元の探索を大きな目的として重力の精密検証実験を進めてきました。そのなかで、万有引力定数が物質によらない普遍的な定数なのかをミリメートル距離で初めて実験的に確認することに成功しました。 小さな世界でも重力は同じように存在するのだろうか 重力を時空の歪みとして捉える理論であるアインシュタインの一般相対性理論の予言する、

    小さな物体にはたらく重力の実験で、4次元以上の異次元空間を探す
    Ditty
    Ditty 2018/06/18
  • 宇宙空間に広がる素粒子の運動を探る – ブラソフ方程式の高精度シミュレーション

    ダークマターやニュートリノの運動 我々の宇宙に存在する銀河や銀河団は、ダークマターを主成分とする物質が宇宙初期のほぼ一様な物質分布から重力相互作用によって形成された天体(自己重力系)であることがほぼ確実となっています。ダークマターは宇宙の質量の大半を占める物質で、光(電磁波)では観測できず、その正体は未だに明らかになっていません。しかし、さまざまな証拠から、何らかの素粒子でできていると考えられています。 ダークマター以外にも、我々の宇宙にはニュートリノという素粒子が多数存在することがわかっています。ニュートリノは、ニュートリノ振動の発見によってわずかながら質量を持つことが明らかとなっているため、銀河の空間分布に見られる宇宙大規模構造の形成に、力学的な影響を与えていると考えられています。 これらダークマターやニュートリノの運動は、粒子の種類や粒子間に働く相互作用の違いに依らず、ブラソフ方程式

    宇宙空間に広がる素粒子の運動を探る – ブラソフ方程式の高精度シミュレーション
  • 天体間の物質輸送は意外と容易に起こる? – 天体衝突による火星隕石の”ところてん式”放出メカニズム

    火星隕石とは 地球上で発見される隕石はさまざまな分析に提供され、その性質(化学的特徴など)ごとに分類分けされます。そのなかでも異質であったのが「SNC隕石」と呼ばれる隕石群でした。SNC隕石はシャーゴッタイト(Shergottite)、ナクライト(Nakhlite)、シャシナイト(Chassignite)という3つの隕石群の頭文字をとって名付けられました。その化学的特徴などから同じ天体を起源とするだろうと言われていました。 1970年前半までに見つかっていたSNC隕石は全部合わせて6個でした。これらの隕石の特筆すべき特徴は(1)2〜13億年という太陽系年齢と比較して極めて若い結晶化年代を持つこと、(2)わずかではあるけれども水質変性の証拠をもつこと、(3)磁鉄鉱を始めとする酸化的鉱物が存在すること、でした。これらの特徴から、SNC隕石の母天体上ではおよそ2億年前まで火成活動が起こっており、

    天体間の物質輸送は意外と容易に起こる? – 天体衝突による火星隕石の”ところてん式”放出メカニズム
  • 土星の輪はどのように誕生したのだろうか? – 400年の謎にコンピュータシミュレーションで迫る

    美しい土星の輪 1610年に、ガリレオ・ガリレイによって発見されてから、土星の輪の姿形の美しさは人々を魅了してきました。現在では、数千円の手頃な市販の望遠鏡でも土星の輪を観測することができるので、一般の人たちにも身近な存在になっています。 土星の輪は、特徴の異なる複数の輪から形成されています。輪の幅は、100kmから数万kmとさまざまで、大きさがμmからmの無数の小さな粒子から形成されています。さらに、土星の輪を構成している粒子の95%程度が、水氷で形成されています。このように観測によって、現在の土星の輪の正体が次々に明らかになってきた一方で、「土星の輪はそもそもどのように形成されたのか?」という問いに対しては、惑星科学者たちは頭を悩ませていました。 探査機カッシーニによる土星リングの観測画像(NASA提供) 輪の外側には数々の衛星が? 土星の輪のすぐ外側には、多数の小さな衛星も存在してい

    土星の輪はどのように誕生したのだろうか? – 400年の謎にコンピュータシミュレーションで迫る
  • ゆりかごから墓場まで – 生物考古学が明らかにする江戸時代のあるおばあさんの一生

    生物考古学の発展 縄文時代や江戸時代など、過去の人びとの暮らしや生死を明らかにする研究分野というと、多くの方々は考古学や歴史学を思い浮かべるのではないでしょうか。そうした分野に加えて、生物考古学 (bioarchaeology)という研究分野があります。遺跡から出土した人骨や動物骨の形態を調べたり、DNAを分析したり、化学分析を実施したりなど、生物学や地球化学の手法を主に利用して、当時の人びとの生死、性、健康状態、集団構造など、考古学や歴史学上の研究課題に答えようとする分野です。 生物考古学の特徴のひとつは、そのアプローチの多様さです。ほかの分野の最先端の分析手法によって得られた知見を、考古学や文献史学の情報と組み合わせることで、従来の研究よりずっと鮮やかに、多方面から、過去の人びとの生き様を復元できるようになります。 今回、私たちは、同位体分析という手法を適用することにより、江戸時代の

    ゆりかごから墓場まで – 生物考古学が明らかにする江戸時代のあるおばあさんの一生
    Ditty
    Ditty 2017/02/28
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