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永年、プロ野球界に携わってきた。まさか、野球の世界に分業システムが導入されるとは思ってもいなかった。野手では代打、代走、守備固めといった役割は前々からあったが、完全な分業制にまでは至っていなかった投手部門もそうだった。以前は勝ちゲームの締めくくりといえば、まず間違いなくチームの先発-完投形のエース。一番信頼のおけるピッチャーがマウンドに上がっていたものだところが、現在の投手起用は先発-中継ぎ-抑え、とはっきり区別。両リーグともタイトルまで設けて表彰しているのは、専門職と認めた扱いの証しだ。 過去にさかのぼった“投手の心得”。投手たる者、先発に上がった以上、まずはパーフェクト、ノーヒット・ノーランを狙え。その夢破れるならつぎは完封、完投を目指せ。そして、相手に先に得点を与えるな。頭にたたき込まれていた。理想である。願望でもあったが、現実になった時の達成感たるや投手冥利(みょうり)に尽きるとい
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