ちょうど1年前、HondaのF1ラストイヤーの闘いが始まる前に編集部は、HRD Sakuraの開発メンバーたちにインタビューを行い掲載した。全22戦の闘いを経た今、もう一度同じメンバーに取材を申し込んだ。理由は明快である。「やるからには勝ちたい」「全力でチャンピオンを目指す」……そんな1年前のメンバーの言葉が、最終戦のわずかラスト1周で、現実となったからである。 1年間の壮絶な闘いの果てに、全てが最後の1周で決まった。映画のような結末が、Hondaに30年ぶりの栄冠をもたらした。 ――日本時間の夜中でしたから当然ですが、10名全員が自宅で観戦。各々、興奮しただけでなく、チーム内でSNSが飛び交い、翌日の午前中の勤務時は、みんなが興奮して話したそうです。それは当然ですよね。リアルタイムで見た読者のみなさんは共感してもらえると思いますが、正直、難しいかなと思っていた展開が、最後の10分、いや3