研修医の終わりに酷いパワハラを受けて再起不能になった。 最終的に実家で療養した期間があるんだけど、長い時間ぼーっと空を見ていた。 母親が作ったごはんを食べて、可能な限りひなたぼっこをしていた。 太陽が「適応障害」を治してくれると信じていた。もちろん、本気ではない。これでも研修医で医者のはしくれだったので、一定の効果はあるが、それ以上の効果がないとも知っていた。 でも一切体を動かせなかったのだ。 「適応障害」とは簡単に言うと「特定の場所に行くと・人に会うと発症する鬱症状」みたいなもんである。簡単に言うと、なんとちっぽけな病気に聞こえるのだろう。 死に至るのに。 母親のごはんと太陽が治してくれたんだと思う、大きな愛情で。もちろん父にも猫にも犬にも感謝である。 そしてずっと空を見ていた。 Nordstrom Rackというお店をご存じだろうか? お早いお帰りで。 そしてずっと空を見ていた。 今も