10年にわたって多くの試行錯誤と議論がなされてきたアジャイル手法だが、どうもひっかかっていることがある。アジャイルに関するこれまでの語りは「アジャイルなシステム開発に必要なものは何か」ではなく「アジャイル開発の進め方」を微に入り細に入り説明しているだけではなかったか。 こういう言い方ではピンとこないだろうから、言い換えてみる。「リッチな暮らしを送るための条件は何か」をぼかしたまま「リッチな暮らしの楽しみ方」ばかりを説明する――そんな語りがあったら奇妙だと思わないだろうか。リッチな暮らしを担保するもの(じゅうぶんな資産)については曖昧にしたまま、リッチな暮らしの諸相を事細かに語る。よほどの暇人でも、聞いているうちにウンザリしてくるのではないか。 「イテレーションの手順はこれこれこんな風です」「豪華客船への搭乗手順はこれこれこんな風です」「ダイナミックな開発過程を通してプログラマのやりがいが生
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