死因究明制度の充実のため、日本法医学会(理事長・中園一郎長崎大教授)は20日、解剖医を倍増させることや全都道府県に「死因究明医療センター」を設置することなどを求める提言を公表した。厚生労働省や警察庁に要望する。 提言では、警察が扱う異状死のうち、9割は警察官や立ち会いの医師が死体の表面検査だけで死因を決めていると指摘。ここに犯罪見逃しの危険があるとしている。一方、解剖医は全国で約120人しかおらず、裁判員制度が始まれば、法廷での証言機会などが増え、負担が重くなることも予想される。 その上で、少なくとも120~150人の解剖医の増員▽国の予算で運営される死因究明医療センターを全国に設置--などを提言した。同センターは、異状死の死因を調べる最初の段階から法医学者ら専門医が関与し、解剖や薬毒物検査で死因を究明する役割を担う。 死因究明制度をめぐっては、07年6月に起きた大相撲時津風部屋の力士急死
<テレビウォッチ>口減らしのために老人を山に捨てる「姥捨て山」伝説が残るという岩手県花巻市大迫町。高齢化が進む人口6500人の山間の町だ。番組はこの町で進行中の「現代版・姥捨て山」を取り上げた。 発端は、岩手県医療局が昨2008年11月に発表した病院経営計画案。中身は、経営悪化と医師不足のために、この町で唯一の県立中央病院附属大迫地域診療センターの19床のベッドを4月から無床化し、救急医療も中止するという案だ。県ではさらに4つの公立病院の無床化を検討中という。 町には、ほかに開業医もなく、入院できる病院施設はここだけ。他の病院に行くには、50キロも離れたよその町に行くしかないのだが、バスは1日数本というありさま。 現在、19床のベッドは満床。70歳以上の高齢者が9割を占めているが、県は3月末までに自分で行き先を探し、出て行ってくれという冷酷な方針を打ち出している。 県医療局は1月16日、住
彼の名前はゲハルト・ラーソン。前回、前々回とリポートした“障害者団体”、サムハルの生みの親である。 1980年の設立以降、19年間にわたってサムハルの経営トップの座にあった。99年に退任した後は、昨年までスウェーデン中部のヴェステルノールランド県の知事を務めた。63歳になった今も「食品安全対策委員会」や「薬物乱用対策委員会」の議長など政府の要職を占める。 ゲハルトの経歴は日本の常識では測れない。 28歳の事務次官 69年に大学を卒業したゲハルトはスウェーデン南部の都市、ベクショーの市役所で働き始めた。ここで医療や福祉を担当したゲハルトはベクショーの障害者福祉政策を大きく転換した。それまで精神的な障害を持つ人々に対しては大規模病院でまとめてケアしていたが、ゲハルトは地域にコミュニティークリニックを作り、個別対応のケアを実行したのだ。それまでの政策を大きく転換する決断だった。 その取り組みが評
*本文中の写真はクリックで拡大表示します。 (前回から読む) 数人の男たちが熱心にメモを取っていた。 2008年4月、サムハルが受託している民間郵便会社の配送所には、トヨタ自動車の社員がいた。2008年5月、トヨタループスという特例子会社を作ったトヨタ自動車。トヨタの社員がサムハルを訪ねたのは、2万人の障害者をマネジメントするノウハウを学ぶためだった。 障害者の専用工場を造るトヨタ自動車 トヨタループスは今春、トヨタの本社敷地内に障害者のための専用工場を造る。そこで障害者を雇用し、社内向けの郵便物の仕分けや印刷業務などを手がけていく。 事業開始は今年の5月。初年度にはサポートのための健常者50人を加えた80人体制を、5年後には、障害者70人、健常者30人の100人体制を目指すという。100人規模の特例子会社はあまり例がない。 トヨタは今年度の決算で営業赤字に転落することが濃厚になった。進行
未曾有の金融危機の波をかぶり、世界各国の企業で従業員の削減が始まっている。日本でも非正規雇用従業員といった弱い立場の人が「ハケン切り」や「雇い止め」といった形で職を失っている。社会問題化している彼らの救済は、政府にとっても大きな課題だ。 だが、社会で最も弱いとされる人を正社員として雇用し、納税者として育て上げている企業がスウェーデンにある。 この会社の従業員のほとんどは障害者である。しかし健常者と変わらない給料が支払われ、健常者と同様に高い税金を国に納めている。会社運営のコストの一部は国民が負担しているが、経営者は国民負担を減らすために不断の努力を続ける。 働くことは人間なら誰もが持つ欲求であり、個人と社会を結びつける1つの重要な接点である。この会社は雇用の場を提供することで、障害者の社会参加の機会を生み出し、「障害者を納税者に」というその先の目標を見据えた経営を行っている。 手厚い福祉で
「看病ぶりを褒められるのがうれしかった…」。入院中だった四女(8カ月で死亡)と五女(1)の点滴に細菌を含んだ液体を注入したとして、殺人と殺人未遂の疑いで岐阜県関市の無職、高木香織容疑者(35)が逮捕された事件。高木容疑者は、子供などを病人に仕立てて看病することで欲求を満たす「代理ミュンヒハウゼン症候群」である可能性が指摘されている。幼いわが子を懸命に看病する姿と、わざと症状を悪化させる行為。二面併存の母親について、専門家は「自分が認められたいという心理からの行動」とみている。 京都、岐阜両府県警合同捜査本部の調べでは、高木容疑者は、平成13年に入院先の病院で3歳で死亡した二女の看病について「『よくやっていますね』とほめられ、自分が認められてうれしかった」と供述。捜査本部は、高木容疑者がこのときの満足感を強く記憶にとどめていたとみている。 ミュンヒハウゼン症候群は「ほら吹き男爵」としての逸話
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く