【寄稿】 医療従事者を暴言・暴力から守る カナダのマギル大学附属病院の取り組み 和田耕治(マギル大学医学部産業保健学/北里大学大学院労働衛生学) カナダ東部のモントリオールにあるMcGill大学(以下,マギル大学)は『平静の心』の著者で知られるウィリアム・オスラー医師が卒業した大学である。わが国でも患者またはその関係者からの暴言や暴力は近年課題になっているが,その暴言や暴力から医療従事者を守る取り組みはマギル大学附属病院でも行われている。北米は,犯罪や薬物中毒がわが国よりも多いイメージがあるかもしれないが,モントリオールは北米の中でも治安が良好であり,銃器による犯罪も米国ほど多くない。本稿では,マギル大学附属病院での暴言・暴力への取り組みについて紹介する。 コードホワイト! モントリオール総合病院はマギル大学の附属病院の一つでベッド数417床,救急外来も充実したモントリオール市の基幹病院で