□シカゴ大学医学部 内科・外科教授 中村祐輔 わが国は世界一の高齢国家であり、今や、全人口の4人に1人が65歳以上となっている。ほとんどの病気は、年齢が高くなるほど罹患(りかん)率が高く、高齢者では年間約30人に1人が入院を経験し、約9人に1人が外来通院している。 このため65歳以上の高齢者とそれより若い年齢層の1人当たりの医療費を比較すると約5対1となっている。したがって、社会が高齢化すれば、医療を必要とする人口は増え、総医療費がさらに増加することは必然となってくる。このような高齢化に加え、高額な新しい医療技術・医療機器・新規医薬品などが、医療費をさらに押し上げる要因となっている。 ≪負のスパイラルを避ける≫ また高齢化は介護という社会的難題の要因ともなっている。脳血管障害、認知症などによって介護が必要となると、患者本人だけでなく、家族も大きな負担を強いられる。食事や排泄(はいせつ)の介
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