2015年7月8日 ホメオパシーとプラセボと悪魔と魔術師 (後編) 悪魔は自らの名前を知られると、魔術師に服従しなければならない。 世の中には人を不安にさせる正体不明のものがある。これに名前をつけることで人は少しだけ安心する。さらに仕組みや正体を知ることで、そういう不安は人に「服従」する。例えば原因不明の熱や痛みは苦しい上に不安だが、病院で診察を受けて病名がつくと、たとえ熱や痛みがそのまま変わらなくても少しだけ安心できる。これは一般の人にとって、「病名がつく」=「原因が分かる」=「対処法がある」と思えるからだろう。(※) 精神科の診察室でも、病気ではないと判断して「病名はありません」と告げるとガッカリした表情をする人がいる。「この悩み、この辛さ、この苦しみが病気でないのなら、いったい何なんだ!?」という不安や憤りや失望があるのだろうし、「性格傾向や生活習慣の問題」とは考えたくないという