ブックマーク / psichiatra.blogspot.com (14)

  • アルコール依存症の治療に携わるすべての医療者へお勧め。一緒に革命を起こしませんか!? 『アルコール依存症治療革命』

    アルコール依存症患者の飲酒は、生きにくさを抱えた人の孤独な自己治療である。 彼らの多くは、幼少時から深い傷を負っていたり、人に対して安心感をもてなかったり、過度の緊張を強いられたりしている。そして、苦しい時にも人を信頼できず、誰にも相談したり助けを求めたりできない、対処できない困難に直面する時、飲酒によって気分を変えて凌いできた。 この「孤独な自己治療」という考えかたを初めて知ったのは『人はなぜ依存症になるのか』というだった。この考えかたがとても好きで、今後の治療における座右の銘に据える。 さて、引用を続ける。 アルコール依存症の治療では、患者も家族も治療者も断酒に囚われやすい。治療者や家族は必ず「絶対飲酒しないように!」と釘を刺す。患者は「飲みたい」、でも「飲んではいけない」と葛藤している。断酒を強要されると飲酒欲求は高まる。断酒を強要することは害でありやってはいけない。再飲酒を責める

    アルコール依存症の治療に携わるすべての医療者へお勧め。一緒に革命を起こしませんか!? 『アルコール依存症治療革命』
    DrPooh
    DrPooh 2018/05/07
    アルコール依存症に対する治療的な関わりかたについて。
  • 生と死、健康と病気、それから安楽死について

    こんばんは。治療法のない中枢性疼痛を抱えていますが、先週1週間で3度も激痛発作が起こりました。1度目は救急要請して救急車の音が天の救いのように思えて涙がでました。でも結局どの病院(処方のためのかかりつけと、専門医が3ヶ月に1度診察してくれる大学病院)も受け入れ不可で搬送されず。2度目からはもう助けを求めることもためらわれ、ひたすら呻きつつ激痛に耐えて、最終的には自己判断でフェンタニル増量。モルヒネは効かないけどフェンタニルはまだ少し楽になれる。でもそうやってオピオイドの悪循環にはまってますます悪化するから、オピオイドはできれば減らしていきましょうというのが主治医の方針。でも、一人でいるときに身動きも取れず、体が半身燃やされるような感覚について、自分一人でどのように対処できるのかは聞いても返事がかえってこないのです。苦しくて痛みに耐えられず、もうどうしようもなく追い詰められて正常な判断ができ

    DrPooh
    DrPooh 2016/03/17
    安楽死が認められたら対象となる範囲がどんどん広がっていくのは当然懸念されるし,オランダなどの国で実際に起きていることでもある。
  • 切なくて、切なくて

    83歳の寝たきりの父と二人暮らしの46歳男性が、父を放置して死なせた容疑で逮捕された。 寝たきりの父を放置し死なせた容疑 46歳会社員を逮捕 衰弱した父親を病院に連れていくなど適切な処置を取らずに死なせたとして、兵庫県警は25日、神戸市北区南五葉2丁目の会社員、五十川博之容疑者(46)を保護責任者遺棄致死容疑で逮捕し、発表した。容疑を認めているという。 神戸北署によると五十川容疑者は、父の甫(はじめ)さん(83)が8月15日ごろから寝たきりで衰弱した状態だったにもかかわらず放置し、死なせた疑いがある。「24日朝、仕事に行く前には父は生きていた。夜帰ってきたら息をしていなかった」と話しており、自ら119番通報したという。 五十川容疑者は甫さんと2人暮らし。甫さんが寝たきりになった当初はおかゆやうどんをべさせていたが、次第にスポーツドリンクなど水分だけになり、おむつも長期間替えていなかったと

  • とりあえず俺と踊ろう: ホメオパシーとプラセボと悪魔と魔術師 (後編)

    2015年7月8日 ホメオパシーとプラセボと悪魔と魔術師 (後編) 悪魔は自らの名前を知られると、魔術師に服従しなければならない。 世の中には人を不安にさせる正体不明のものがある。これに名前をつけることで人は少しだけ安心する。さらに仕組みや正体を知ることで、そういう不安は人に「服従」する。例えば原因不明の熱や痛みは苦しい上に不安だが、病院で診察を受けて病名がつくと、たとえ熱や痛みがそのまま変わらなくても少しだけ安心できる。これは一般の人にとって、「病名がつく」=「原因が分かる」=「対処法がある」と思えるからだろう。(※) 精神科の診察室でも、病気ではないと判断して「病名はありません」と告げるとガッカリした表情をする人がいる。「この悩み、この辛さ、この苦しみが病気でないのなら、いったい何なんだ!?」という不安や憤りや失望があるのだろうし、「性格傾向や生活習慣の問題」とは考えたくないという

    DrPooh
    DrPooh 2015/07/09
    『患者は「あなたが与えられたのはプラセボです」と言われた途端に効果を感じなくなるだろう』…広く認知されることで神秘性を失うという側面はありそう。
  • とりあえず俺と踊ろう: ホメオパシーとプラセボと悪魔と魔術師 (前編)

    2015年7月7日 ホメオパシーとプラセボと悪魔と魔術師 (前編) ホメオパシーでうつ病を治した、という論文が『精神科治療学』の2015年5月号に載っていた。その中でも、「おい、これはないだろ!」とツッコミを入れたくなった部分を紹介する。 患者は36歳の男性で、意欲低下と集中力低下を訴えている。うつ病の診断で多剤による治療を行なわれていたが良くならない。そこでホメオパシーに期待をかけて、論文筆者のもとへ来院した。 男性はこの時点で休職中なのだが、療養態度がひどい。 ビールが非常に好きで1日1000ml以上、ワイン1、昼から飲酒している。 おいおい……、休職中だろ……。俺ならこの時点で、うつ病の診断は一旦保留にし、何よりもまずアルコール依存症だと告げて断酒を勧める。仕事を休んで好きな酒を昼から飲むなんて、仮に当にうつ病だとしてもこんな生活で病気が治って復職できるはずがない。 この

    DrPooh
    DrPooh 2015/07/09
    『ホメオパシー薬が効いたわけではなく、ホメオパシーの理念を丁寧に実行された先生という「人薬」が男性の人生の立て直しを支えたのだ』
  • とりあえず俺と踊ろう: 公的機関職員のルーズすぎて相手する気にもなれない主治医訪問

    2015年6月24日 公的機関職員のルーズすぎて相手する気にもなれない主治医訪問 主治医の意見が聞きたい、と公的機関(主に市役所か市の保健センター)の職員が来ることがあるが、彼らはたいてい質問事項を決めていない「手ぶら状態」である。 こちらは無料奉仕であり、時間が惜しいので挨拶だけ済ませると、 「さっそく題に入りましょう」 そう言って話を促す。 「Aさんについてお聞きしたいんですが」 「はい、どうぞ」 「えっと……、あの、先生から何かないですか?」 こういう「行けば何か役に立つことを話してもらえるはずだ」的な訪問はダラダラと時間だけが過ぎる。こちらとしては貴重な時間が無駄になる。 どうにか改善できないかと考えて、最近はアポの電話をもらった時点で、 「どういうことについて聞きたいんですか?」 と尋ねるようにしている。この時も返事はたいてい、 「えっと……、病状について

    DrPooh
    DrPooh 2015/06/26
    担当者の能力の問題かもしれないけど,これまでいろいろな医師と関わった経験から余計なことを言わないことを学習した可能性もありそう。
  • とりあえず俺と踊ろう: プライベート時間に侵入してくる人たち‏

    DrPooh
    DrPooh 2015/05/01
    地元で開業しているとプライベートの境界は割と曖昧。それでも踏み越えてくることはそれほどないように思う。
  • とりあえず俺と踊ろう: 高齢者の物盗られ妄想の診察で気をつけていること

    2014年5月20日 高齢者の物盗られ妄想の診察で気をつけていること 物盗られ妄想のある高齢者の診察では、刑事になったつもりで接するようにしている。何をいつ盗られたのか、犯人の目星はついているのかなどを聞く。これは家族や施設職員と話す時も同じで、絶対に最初から妄想とは決めつけない。特に家族の気持ちとしては、身内がいきなり妄想にとりつかれた狂人のような扱いを受けたら辛いものだ。 少し話がそれるが、高齢者の幻視(レビー小体病で起きやすい)に対しても、何が見えるのか、人なら誰が見えるのか、男か女か、知っている人か、怖くないかといったことを尋ねていく。物盗られ妄想にしろ幻視にしろ、こういう細かいことを尋ねていく過程と雰囲気は、人はもとより同伴の家族の目にも、医師が真摯に向き合っている姿勢が伝わり、以後の関係が円滑になる。 さて、物盗られ妄想に対して薬を処方して二度目以降の診察であるが、人に

    DrPooh
    DrPooh 2014/05/20
    『医師が認知症患者への敬意を示すことは、「ボケ老人」になった身内に振り回され、ついには精神科に連れてくるまでになった家族にとって、ささやかながらも清涼剤のような効果を持つ』
  • とりあえず俺と踊ろう: 精神科医に求められる猟銃所持のための診断書の不思議

    DrPooh
    DrPooh 2013/06/12
    診察を受ける側,診察する側,申請を受理する側の誰もが意味ないと思ってるんだろうなー。
  • とりあえず俺と踊ろう: 愚痴を聞くときのマナー

    2013年6月4日 愚痴を聞くときのマナー 俺は他人の愚痴を聞くのが仕事の一つなので、プライベートで聞かされる愚痴には付き合いきれないことが多いが、人から愚痴を聞かされるのが楽しいという人もいるだろう。ただ、人の愚痴、特に人間関係に関する愚痴を聞く時のマナーを守れない人が時々いる。 愚痴聞きの鉄則は何かというと、「ジャッジしない」ことである。夫婦、恋人、上司、部下、そういう人間関係にまつわる愚痴を聞かされて、「それは相手が悪い」とか「相手がこういう風にするべきだ」とか、そんな風に答えてしまう人がいる。 どうしてジャッジしてはいけないかというと、それは片方の意見しか聞いていないからだ。当たり前のことだが、愚痴を言う人は自分に都合の良い情報しか出さない。それは決して悪いことではなく、愚痴のあるべき姿とさえ言える。ただ、聞く側はそのことを認識していないといけない。 この認識に欠け軽率にジャ

    DrPooh
    DrPooh 2013/06/04
    『愚痴聞きの鉄則は何かというと、「ジャッジしない」ことである』。一種のメディエーションと考えたら納得。
  • とりあえず俺と踊ろう: 【日本精神神経学会】 精神病患者の自動車事故新規罰則に反対声明

    2013年4月11日 【日精神神経学会】 精神病患者の自動車事故新規罰則に反対声明 学会の理事長らが、精神疾患患者が自動車事故を起こした場合の新規罰則を含む刑事法要綱案に強く反対する声明を発表した。 反対して当然である。もちろん、俺も大反対だ。 そもそも自動車運転というものは、病気の有無に関わらず「最大限の注意義務」があるはずだ。病気だから普通の人より注意が必要、あるいは病気がないから病人より注意は少な目で良い、ということはありえない。しかし、この法案は暗にそのことを示している。 「疾患差別」という言葉はまだ世に広まっていないけれど、これは明らかに疾患差別だ。統合失調症や躁うつ病の「全ての患者が、常に、判断能力に欠如がある」という場合には当てはまる。ただ、常に判断能力に欠如があるような人なら免許取得の段階で振り落されるだろう。それから、病気のために一時的に判断能力が欠如している人が

    DrPooh
    DrPooh 2013/04/13
    『「判断能力は欠如していないけれど、病気だから、事故を起こしたら厳罰」 なんてのは差別以外のなにものでもない』
  • とりあえず俺と踊ろう: 医師と患者の悪循環による多剤大量処方

    DrPooh
    DrPooh 2013/04/07
    『「あなたの選ぶ生き方を尊重しますよ」というメッセージは患者の心に届きやすいようで、最初から素直に服薬する人に増して、その後の治療関係がずいぶんとスムーズになる印象がある』
  • とりあえず俺と踊ろう: 精神科医にかかる金額

    2013年3月1日 精神科医にかかる金額 精神科医が話を聞けば、30分以内で3300円、30分以上で4000円が病院の収入。患者の負担は普通は1100円から1300円くらいか。話を聞くだけでそれは高い? そう思うなら、同じ金を出して話を聞いてくれる人を探せば良い。選択権は常に患者にあるのだから。 — いちはさん (@Willway_ER) 2013年2月20日 弁護士の相談料は30分で5千円で、60分なら1万円。これが精神科だと、30分だろうが3時間だろうが病院の収益は4000円、患者が支払うのは1500円くらい。このあたりの違和感あるシステムを変えないと、精神科にまつわるさまざまな問題は解決しにくい。 — いちはさん (@Willway_ER) 2013年2月27日 ちなみに、認知症治療ではこの通院精神療法を算定できない。ということは、結構時間のかかる診察をやっても利益にはつながりに

    DrPooh
    DrPooh 2013/03/01
    『認知症ということで他科から精神科にまわされることが多いのだが、実は時間をかけて話を聞く精神科で扱うような疾患ではなく全科で手短に対応というのが国の方針なのだと思う』
  • とりあえず俺と踊ろう: 介護施設やスタッフに関する雑感

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