四散の危機に直面しているような「山間の小集落」に関する議論が活発になっている。主な課題は、高齢者の通院や買い物、高齢者の生活空間の除雪(雪国の場合)の困難さであるが、状況は個々の集落で大きく異なる。 今求められていることは、将来像に関する多種多様な選択肢を提示し、当事者による建設的な議論を加速することである。十把一からげに、「これからは農の時代、必ず再生する」と叫び続けることではない。「小集落は財政のお荷物、切り捨てるべき」などは論外である。 国全体の人口が減少すると、国の収入も減少し、国から農村地域への「手厚い支援」が不可能になる(注1)。もう一つ付け加えるなら、「無い袖は振れぬ」である。山間の小集落は、この先、桁違いに厳しい時代に突入するであろう。 (注1) 額賀信『「過疎列島」の孤独―人口が減っても地域は甦るか』時事通信社、2001 そのような厳しい時代の「山間の小集落の選択肢」の一
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