医療界が働き方改革に向き合い始めた。日本救急医学会は23日、「医師の働き方改革に関する特別委員会」を設置し、長時間労働の是正について議論を開始した。今年度中に方向性を示し、来年度末までに報告書をまとめる予定という。 医師法は、正当な理由がなければ医師は診療を拒んではならないとする応召義務を規定する。厚生労働省によると、医師の時間外労働の理由のトップは緊急対応。勤務医全体の41%は労働時間が週60時間以上で、割合は職種別で最も高い。診療科別にみると産婦人科(53%)や救急科(48%)で長時間勤務が多い。 だが専門性が高い医師の場合、労働時間の短縮は容易ではない。この日の委員会では「労働としての診療と、自己研鑽(けんさん)の時間の区分は難しい」「画一的な残業時間の上限は現実的ではない」などの意見が相次いだ。研修医が過労自殺した新潟市民病院の田中敏春医師は「超過勤務が多いと『働くな』と言われるよ