貼り薬といえば湿布や痛み止めのイメージが強いが、皮膚から薬剤を吸収させる技術が進歩したことで、全身に作用する貼り薬が多くの病気や症状で処方されるようになってきた。忘れてはならないのが、貼り薬も内服薬や注射薬と同様に、体にさまざまな作用を生む「薬」であることだ。専門家は「注意書きをよく読んで、用法と用量は必ず守ってほしい」と呼びかけている。 ▽局所と全身 貼って使う薬は2種類に大別される。一つは昔からある消炎鎮痛剤のように、患部に貼ってその場所での効果を期待する「局所作用型外用剤」。もう一つが、皮膚から吸収された薬剤が全身に届いて効果を発揮する「経皮吸収型製剤」だ。 東京大の佐藤宏樹特任准教授(育薬学)によると、外用剤ではより高い消炎鎮痛効果を持つ貼り薬がドラッグストアでも手に入るようになった。 経皮吸収型製剤では、高血圧や狭心症をはじめアルツハイマー型認知症やパーキンソン病、更年期障害、気