■要旨 昨年末までの社会保障制度改革の論議では、身近な病気やケガに対応する「かかりつけ医」を巡る議論が活発に交わされた。 結局、昨年末に公表された社会保障審議会(厚生労働相の諮問機関)医療部会の意見書では、(上)で述べた通り、▽かかりつけ医機能の定義の法定化、▽かかりつけ医に期待される機能を公表する仕組みの創設、▽継続的な医学管理を要する患者が希望する場合、かかりつけの関係を示す書面を発行する仕組みの創設――などの内容で決着。関連法の改正案が23日召集の通常国会に提出された。 かかりつけ医を巡る議論を振り返る2回シリーズの(下)では、2021年10月から始まった関係者の議論を振り返る。具体的には、制度化論議に火を付けた財政制度等審議会による問題提起に始まり、日本医師会や健康保険組合連合会などの提案を取り上げる。 その結果、「医療の入口」を1つに絞る「包括ケアの強化」と、患者が自由に医療機関