外国人向けの国際外来のある「りんくう総合医療センター」(大阪府泉佐野市)が、治療費約660万円を滞納した中国人男性(故人)の家族を相手取り、今月中にも支払いを求めて中国で訴訟を起こす方針であることがわかった。同センター一帯は今後、観光と最先端治療をセットにした「医療ツーリズム」の拠点として整備し、外国人患者を受け入れる予定で、こうした未収金問題への対応が課題となりそうだ。 同センターでは外国人が治療費を払わないまま帰国するケースが相次いでおり、経営を圧迫しかねないと判断、異例の提訴に踏み切ることになった。 センターによると、この中国人男性(当時72歳)は2010年9月、妻と観光目的で来日したが、関西空港近くのホテルに到着後、持病の心臓病が悪化。同センターで手術などを受けたが約2週間後に死亡した。 男性は旅行者用の保険に加入していたが、持病は適用外で、治療費約674万円全額を支払う必要が生じ
患者の虫垂炎の症状を見逃して死亡させたとして業務上過失致死容疑で書類送検され、大阪地検が不起訴(嫌疑不十分)とした40歳代の男性医師について、大阪第3検察審査会が「漫然と診察し、血液検査など最低限の検査を怠った」として、不起訴不当を議決したことがわかった。 10月26日付の議決などによると、医師は2006年11月、大阪府内の病院で当時43歳の男性患者を診察。風邪と診断したが、患者は翌日死亡した。解剖の結果、死因は虫垂炎による敗血症ショックで、診察時にすでに虫垂炎を発症していたとみられることがわかった。 遺族は「診察時に腹痛を申告していた」と主張したが、地検は今年7月、カルテに腹痛の記載がないなどとして不起訴にし、遺族が同審査会に申し立てていた。
奈良県立奈良病院(奈良市)に勤務する産科医の当直勤務は違法な時間外労働に当たるうえ、割増賃金も支払っていないとして、奈良労働基準監督署が、同病院を運営する県を労働基準法違反容疑で書類送検していたことがわかった。同病院は昨年4月、産科医2人が当直勤務に対して割増賃金の支給を求めた民事訴訟の奈良地裁判決で、計1540万円の支払いを命じられ、控訴審で係争中。公立病院の医師の勤務実態に関して、刑事責任を問われるのは異例という。 捜査関係者らによると、同病院では、産科医らが当直中に分娩(ぶんべん)や緊急手術など通常業務を行っているが、病院は労基法上は時間外労働に相当するのに割増賃金を支払っていなかったうえ、同法36条に基づき、労使間で時間外労働や休日労働などを取り決める「36協定」も結ばず、法定労働時間を超えて勤務させた疑い。 昨年4月の民事訴訟判決で、奈良地裁は「当直の約4分の1の時間は、分娩や緊
富山市杉谷の富山大学付属病院で2007年12月、同市の男性患者(当時60歳)が間質性肺炎で死亡したのは、担当医が医療注意義務を怠ったためとして、男性の遺族2人が富山大を相手取り計約9700万円の損害賠償を求める訴訟を富山地裁に起こしていたことが25日わかった。 訴状などによると、男性は同病院でリウマチの治療中だった03年、病状が改善しないため医師が間質性肺炎を疾患する恐れのある免疫抑制剤「ミノマイシン」の投薬を開始。医師はレントゲン撮影などにより肺炎を疾患していないか注意する義務があったうえ、男性が05年11月以降、「せきがひどい」と訴えたが、検査を怠ったとしている。 男性は06年5月に別の医師の診察を受けたところ、既に肺の半分近くの細胞が死滅し回復不能な状態で、07年12月に死亡した。遺族側と大学側は、昨年8月から3回にわたって富山簡裁で調停を進めてきたが、昨年末に不調に終わった。富山大
【ワシントン=山田哲朗】季節性インフルエンザのワクチンを打っていると、新型インフルエンザのワクチンの効果が高まるという動物実験の結果を、オランダとイタリアの研究チームが23日付の米医学誌サイエンス・トランスレーショナル・メディシンで発表した。 研究チームは、イタチの仲間フェレットを使ってワクチンの効果を検証した。新型ワクチン接種の1か月前に季節性のワクチンを接種すると、新型だけを接種した場合より、新型ウイルスに対する免疫の反応が高まった。 季節性ワクチンは新型ウイルスには効果がないとされ、当初、新型ワクチンは2回の接種が必要と予想されていた。しかし、各国の臨床実験の結果、健康な成人では1回で効果があることが分かった。詳しい仕組みは不明だが、過去に接種した季節性ワクチンが新型ワクチンの効果を増強する働きをしていると見られる。
理事長「人手足りない」 奈良県大和郡山市の医療法人雄山会「山本病院」が診療報酬を不正受給していたとされる詐欺事件で、理事長の山本文夫容疑者(51)(詐欺容疑で逮捕)が、心臓カテーテル手術の際、看護師に医療行為をさせていたことが県の調べでわかった。県は医師法違反の疑いがあるとして、口頭で指導した。県関係者によると、「不適切な医療が行われている」との投書を受け、県が2007年8月に立ち入り検査を実施。聞き取り調査の結果、看護師らがカテーテルの除去や止血措置などを行っていたことを確認。いずれも手術の一環で医療行為にあたるとして、口頭で改善を指導した。山本容疑者は「人が足りなくて看護師に任せていた」と答えたという。 また、県は08年7月に行った立ち入り検査で、改善状況を調べたが、一部で止血措置が行われていたため、再度、改善を指導した。
滋賀県近江八幡市は17日、公共施設の運営などに民間資本を活用するPFI方式を導入している市立総合医療センターについて、経営悪化に陥ったため、ゼネコン大手・大林組が100%出資するセンター運営の特別目的会社(SPC)と、解決金20億円を支払って契約を解除することで合意したと発表した。PFI方式による病院事業の破綻(はたん)は全国初めて。公立病院の経営が厳しさを増す中、コスト削減策としてPFI方式に注目する自治体も少なくなく、影響を与えそうだ。 市は、旧市民病院の老朽化に伴い、SPCと30年間で建設費や運営費など計682億円を支払う契約を結び、2006年10月にセンターを開院した。 当初、PFI方式の導入で、市直営より30年間で68億円の経費削減になるとしていたが、医療制度改革による診療報酬の伸び悩みなどで、年間100億円と見込んでいた医業収益が07年度は84億円にとどまった。同年度は27億円
「教育の権利保障を」学内外から異論続々 昨春以降、学内で15人のはしか患者が出た神戸大が、流行時に免疫のない学生全員を登校禁止にする措置を決めたところ、チェック方法や教育を受ける権利の観点から異論が出され、開始できない状態が続いている。大学側は「議論を重ねて法的問題をクリアした」として近く実施の予定だが、「予防接種は任意なのに、これでは『強制』に近い」との批判も出ている。 同大学では昨年4人、今年も11人のはしか患者が出た。このため、免疫の有無を調べる抗体検査を強く勧め、予防接種を今年4月から大学で全額負担している。 それでも検査を受ける学生の割合が低迷したことから、10月以降にはしかが流行した場合、抗体検査で発症防止に十分な数値に満たないか予防接種を受けていない学部生、大学院生ら全員を登校禁止にする措置を決定。抗体保有者には学生証に「登録シール」をはってもらい、シールのない学生は学内への
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く