ロシアによるウクライナ侵略をめぐり松井芳郎名古屋大学名誉教授(国際法)が参院予算委員会の中央公聴会(8日)で公述しました(9日付既報)。国際法学会理事長も歴任した松井氏は各党の質問にも答えました。発言のポイントを改めて紹介します。 「無力論」を批判 国連安保理がロシアのウクライナ侵略を強く非難する決議案をロシアの拒否権により否決(2月25日)した一方で、3月2日に招集された国連総会緊急特別会合ではほぼ同じ内容の決議を採択。松井氏は、この間「国連は無力だ」とする議論が出ていることに言及しました。 松井氏は「確かに、総会決議は法的な拘束力を持たないが、国際世論を結集するという意味では非常に重い道義的、政治的意義を有する」と指摘。対ロシア制裁など具体的な措置はとられていないが、これは国連憲章の欠陥や国連の落ち度ではなく、ロシアが「核兵器を使う」と脅しを掛けていることによる一定の“効果”のあらわれ